2020.10.08
10月の歳時記
歳時記 Tips&Trivia
季節や日々の暮らしを楽しむヒント
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、季節をあらわす言葉で、1年を4つの季節に分け(春夏秋冬)、それぞれの季節をさらに6つにわけるという日本独特のものです。10月には二十四節気でいうところの寒露(かんろ)8日[*]と霜降(そうこう)23日[*]があります。
寒露とは、秋に野草に宿る冷たい露のこと。霜降とは朝晩の冷え込みが厳しくなり、北国では霜の降りる頃のことをいいます。天候も安定し過ごしやすい時期でもあります。短いけれど爽やかなこの期間を利用して、10月は冬への準備をする月にしたいですね。
[*]2020年の場合
緑のイガがこげ茶に染まり、弾け出る栗や、黄金色に輝く銀杏の木からこぼれ落ちたギンナン。旬の木の実をゆっくりと時間をかけてお料理して味わえば、体の中に秋の気配が満ちてくるようです。
赤いビーズのようなコケモモはジャムやソースにして、美しい赤い実のなるローズヒップは秋に収穫した実を乾燥させてからお茶にして楽しめます。
またこの季節には、野や里山、または身近な公園や街路樹などで思いがけずかわいい木の実に出会うことがあります。
赤いナナカマド、紫に染まったアケビ、艶やかな黒色の山ぶどうやエビヅル。林の中を行けば、おなじみのドングリや松ぼっくりなどもたくさん落ちています。そんな自然の宝ものを集めたら、オリジナルのリースやアレンジメントをつくってみるのもいいでしょう。少しずつ深まる秋の時間を豊かに彩ってくれそうです。
虫干しとは、衣類や本などをカビや虫の害から守るため保管場所から取り出し、風を通すことをいいます。
長い間、しまいっぱなしの衣類を広げてみたら、思わぬところに傷みがあったり、小さな虫食いの穴を見つけることもあります。また湿気でカビ臭くなっていたり、シワなどで形崩れしていたり。
虫干しは形を整えて乾燥させることでこうしたトラブルを防ぐ効用があります。
虫干しに適した時期は、夏の土用干し、秋の虫干し、冬の寒干しと年に3回ありますが、秋は、10月の2~3日晴天の続いた後の乾燥した晴れの日を選び、午前10時くらいから14時くらいまでの間で行います。
直射日光をさけ風通しのよい場所にハンガーをかけて陰干ししながら、傷や汚れがないかをチェック。最後にブラシなどで表面を払う仕上げをしてからしまいましょう
気が早いかと思われるかもしれませんが、10月も半ばすぎると年末年始の段取りを考える時期。特に2021年のお正月は、自宅で家族だけで過ごす方が多いはず。そこで楽しみなのはおせち料理ですね。
ここで改めて「おせち料理の意味」をおさらいしてみましょう。
おせちは「御節」と書き、古くは節句の日に神様にお供えするご馳走のことをいい、江戸時代からはお正月料理の祝い膳として受け継がれてきました。
めでたさを重ねるという意味から3〜5段のお重箱に詰めて供され、段ごとにそれぞれ縁起のいい謂れ(いわれ)のある食材が入れられました。
おせち料理の定番についてご紹介しましょう。
その他、お煮しめの【里芋】や【くわい】は、子芋がたくさんつくことから子孫繁栄を願い、【なます(紅白)】は大根と人参の紅白でおめでたく、根菜のように根を張るようにとの意味がこめられています。
2021年のお正月が健やかに迎えられるよう、準備をしていきましょう。