2024/04/02

レシピ・健康・イベント

ぐっすり、スッキリ!睡眠のコツ

眠りにまつわるお悩みを解決

すてき度

SHARE

facebook twitter line

徐々に気温も上昇し、夏の陽気も感じる今日このごろ。この時期は、季節の変わり目に起きやすい気分の浮き沈みもあり、眠りづらさを感じる人が少なくありません。
今回は眠りにまつわる悩みを解消し、ぐっすり快眠するためのコツをご紹介します。

一般的に、春は環境の変化により不安を抱えやすい人が増える傾向にあるといわれています。「眠りとお風呂の専門家」として活動する小林麻利子さんによれば、新たな環境への不安感や緊張感は交感神経を刺激し、睡眠を司る副交感神経の働きが低下して眠りづらさを感じたり、睡眠の質が低下したりすることもあるそうです。

「快眠には入浴が欠かせません。40度以下の温めのお湯に15分ほど浸かり、身体の深部までしっかり温めてください。お風呂上がりには上昇した深部体温が低下をはじめますので、この自然と眠くなるメカニズムを利用しましょう」(小林さん)

よい睡眠は、リラックス効果を高める、前夜の入浴とワンセットで考えることがなによりも大切です。

一般的に、春は環境の変化により不安を抱えやすい人が増える傾向にあるといわれています。「眠りとお風呂の専門家」として活動する小林麻利子さんによれば、新たな環境への不安感や緊張感は交感神経を刺激し、睡眠を司る副交感神経の働きが低下して眠りづらさを感じたり、睡眠の質が低下したりすることもあるそうです。

「快眠には入浴が欠かせません。40度以下の温めのお湯に15分ほど浸かり、身体の深部までしっかり温めてください。お風呂上がりには上昇した深部体温が低下をはじめますので、この自然と眠くなるメカニズムを利用しましょう」(小林さん)

よい睡眠は、リラックス効果を高める、前夜の入浴とワンセットで考えることがなによりも大切です。

体内時計を整えて睡眠のリズムをつくる

睡眠は健康と密接に関係しています。身体の細胞の修復や再生に不可欠な成長ホルモンは
眠りが深くなるほど多く分泌されますが、ほかにも自然な眠りを誘うメラトニンや、眠りからの覚醒を助けるコルチゾールなど、体内環境を一定に保つホルモンが副腎などから分泌されています。
身体がいちばん休まるときに深い眠りに入ることは副腎の回復につながるため、特に小さなお子さんがいる家庭は、未就学の年齢から体内時計を整えて睡眠のリズムをつくってあげましょう。

最適な睡眠時間を確保。
睡眠の質の改善が熟睡のカギ

日本の1 日の睡眠時間は、OECD(経済協力開発機構)が33カ国を対象に行なった調査では7 時間22 分と最低で、国の調査では約4 割の男女が6 時間未満と回答しています。ただし、睡眠時間は長すぎても短すぎても死亡リスクが高まるという研究結果も報告されています。適切な睡眠時間は日本人に多い6 時間半から8 時間未満とされていますが、最適な睡眠時間は人により異なり、年齢や環境・体調などで変化するため、近年では睡眠の質を高めることが要視されています。

屋外の明るさと部屋の明るさを
連動させる生活に

小林さん

すぐに眠りに入れるように、就寝前の寝室はできるだけあかりを落とす習慣をつけましょう。シーリングライトなどの天井照明はつけずに、ベッドサイドやフロアライトなどの間接照明を灯して、落ち着ける空間づくりを心がけてください。スマホは思い切って手の届かない位置に。

温湿度計を使って、
温度と湿度の“見える化”を

小林さん

温湿度計を用いて寝室の温度を20度から26度の間に、湿度は50%台に保ちます。シーツなどの肌に触れる寝具は、就寝中の発汗作用(放熱)が高い天然素材(綿、麻)のものを選びましょう。また、二酸化炭素の量をいかに減らすかが、寝室環境では大事なこと。観葉植物のサンスベリアは暗くなると二酸化炭素を吸い酸素を吐き出す、寝室におすすめのグリーンです。

就寝時刻から逆算して入浴の時間を
設定する

小林さん

「入浴で上げた深部体温を一気に下げて眠りやすくする」というメカニズムを活用するため、入浴の前に食事や翌日の準備も済ませておき、あとは寝るだけの状態をつくります。春は浴室も涼しいので暖かさの対策が必要ですが、具体的には就寝の1時間前にはお風呂から上がることをおすすめします。
家族が何時にお風呂に入って上がるのかをスケジューリングすることが、快適な生活につながります。

解説)深部体温=脳や臓器など身体の内部の温度。
内臓の働きを守るために一定に保たれている。

解説)深部体温=脳や臓器など身体の内部の温度。内臓の働きを守るた
めに一定に保たれている。

40度の湯船に15分。
深部体温を一時的に上昇

小林さん

深部体温をきちんと上げるため、湯船には適切な時間浸かりましょう。入浴の手順は、「①浴室の湿度と温度をシャワーであげる ②洗髪する ③ 15 分、首まで浸かる完全浴」を推奨します。
脱衣所で洋服を脱ぐ前にシャワーでお湯を洗面器や浴槽に出しておき、浴室をミストで包んでから入れば、温かな霧で気持ちよさもアップ。入浴中にボディケアを済ませたり、お風呂から出てすぐに靴下を履けば、身体の冷えも防止できます。

小林さん

育児中は、「子どもに時間を割くため疲れが取れない」というお悩みをよく聞きます。こんなときは、お風呂を2回に分ける「分浴」を試してみましょう。
まずは早い時間に子どもとお風呂に入ります。ポイントは、子どもの入浴に集中することです。大人はお風呂の縁に腰掛けて足湯に浸かるだけで十分リラックスできますし、ズボンの裾をめくるだけなので身支度も簡単です。子どもの頭を洗いながらその日に起きた出来事を集中して聞いてあげれば、子どもの安心感にもつながります。また、お風呂から出ても足湯姿で脱衣所の閉め切った空間の中で子どもの着替えに集中できるので、ストレスも減るはずです。そのあと子どもを寝かしつけて、あとは就寝前にひとりでゆっくり湯船に浸かり、自分だけの時間を持ちましょう。

とはいえ、生活習慣を変えることが難しく、分浴ができないというご家庭も多いでしょう。その場合の一緒に入る際のポイントをお伝えします。
子どもは大人より早く温まるため合わせて湯船に浸かると、大人は体が温まりきる前にお風呂から上がることになり、冷えを感じやすいです。対策としては、洗面器にお湯を張って、大人は洗面器で足湯をしながら、洗髪をしてみてください。また入浴後は、子どもの寝つきを促し、睡眠の質を高めるために入浴後直後に寝かせてあげた方がいいでしょう。
しかし、入浴後にお母さんのドライヤーの時間やスキンケアの時間などで子どもを待たせてしまっては、最高にぐっすり眠れる黄金の時間を逃してしまうことになります。スキンケアだけ手短にして、ドライヤーで頭を乾かすのは子どもを寝かせてからがおすすめです。
子どもが1人で眠れなかったり、毎度寝かしつけをせねばならない、ということならば、やはり先ほどの、『服を着たまま、お風呂のお湯に腰掛けてお風呂のお湯で足湯をしながら浸かるスタイル』がベストといえます。この対策をすると、必然的に子どもの就寝時刻も早まると言えます。

小林さん

身長や体重、筋肉量をとっても男女の身体のつくりは異なりますし、例えば夫婦の場合、ベッドマットの硬さを揃える必要はありません。寝室が6 畳あれば、シングルまたはセミダブルサイズのマットレスを横並びに2つ置けるはずです。マットレスのメーカーが別々でも、長さと厚さを揃えて段差をなくすようにすればOKです。
よく「柔らかいマットレスは、身体が沈み込んで寝返りが打ちづらいからよくない」などと言われますが、寝姿勢を考えて作られた高品質のマットレスは、やさしく包み込む柔らかさがありながらも、下からの体を支える反発力で寝返りも促すようなものもあります。
選択のポイントとしては、表面は柔らかく、でも寝返りが打てるような体圧分散性を謳われている商品で、中の詰め物が多く入っている厚みのある高級なタイプがおすすめです。できる限りたくさんのマットレスが選べるお店や大きな展示会場に足を運んでみてください。始めにたくさんのメーカーのマットレスを1 度背中で感じて、どのメーカーのコンセプトに自分が合うかを選び、その後選んだメーカーのショールームに行ってさらに絞ります。マットレスにもさまざまなメーカーやブランドがありますが、低価格帯の商品を中心に取り揃えるメーカーの場合は、そのなかでも高級ラインを選ぶことをおすすめします。

睡眠と入浴について、知らず知らずのうちに習慣づいてしまっていることを見直してみましょう。

sleeplive brainsleepcoin
sleeplive brainsleepcoin

眠りとお風呂の専門家

公認心理師

小林麻利子

Mariko Kobayashi

第32回日本睡眠環境学会奨励賞受賞。JCSP日本睡眠改善カウンセリングをオンラインと全国5店舗で実施。
最新の研究をもとに、生活習慣や睡眠環境の指導を4000人以上に行う。また、マンションやホテルなどの睡眠空間提案にも力を入れる。
テレビや雑誌などメディアでも活動。SleepLIVE(株)代表。
近著『小林式マインドフルネス入浴法』(エムディエヌコーポレーション刊)

関連記事

Scroll