2024/01/05

インテリア

心地よいダイニング照明

「一室多灯」と光色の組み合わせで
やすらぎのあかりを

すてき度

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家族や親しい人たちと、くつろぎの時間を過ごすダイニング。その雰囲気づくりの柱となるのが照明です。
心地よい暮らしをつくるあかりを学び、お部屋のコーディネートを楽しんでみませんか。

必要な用途や、演出したい雰囲気に
合うあかりを選ぶ

基本的な「一室多灯」の取り入れ方について、照明アドバイザーの伊藤美佳代さんに聞きました。
「照明に使う電球のうち、現在主流のLED電球の光の色(光色)には、色温度が高いほうから作業や勉強に使う昼光色・昼白色と、温かみのある電球色、その中間に位置する温白色があり、それぞれの光色に適した用途に合わせて取り入れます。
最近のLED電球は、それ自体に調光機能を備えたタイプが増えていますので、簡単に光色を組み合わせて、好みの雰囲気をつくることができます」

LED電球の光色(イメージ)

出典)「はじめてでも失敗しない! LED電球の選び方」(Panasonic)

LED電球の色温度と光色(代表例)

出典)「ランプカタログ 2023.10」(Panasonic)をもとに作成

【昼光色・昼白色】
事務所やコンビニなどでも使われているあかり。アクティブに活動するときに。
【温白色】
近年登場した昼白色と電球色の間のあかり。どちらの用途にも使えるため人気が高い。
【電球色】
温かみのあるあかり。食卓などゆっくりと寛ぐリラックスの場に。

出典)「ランプカタログ 2023.10」(Panasonic)をもとに作成

主照明とまわりの電球の光色を変えた
「一室多灯」の配色例

同じ器具でも光色を変えることで異なる雰囲気をつくれます。左側は主照明を温白色にし、まわりには電球色を配置、右側は主照明を昼白色にしてまわりのあかりは温白色をセレクトすることで、それぞれ「団らんのあかり」「さわやかなあかり」と、まったく異なる雰囲気に。組み合わせる光色は「隣り合う色」が鉄則です。

光色の組み合わせ

  • 同一の空間(部屋)の光色は
    統一するのが基本
  • 同一の空間(部屋)で配色を変える場合は、隣り合う光色までの組み合わせにする
    例)電球色と組み合わせるのは温白色。昼白色はNG。
  • 同一の壁面などを照らすあかりは統一する(光色をミックスしない)

間接照明で壁面や床面に光を広げる

間接照明を配置するときにまず意識したいのは、壁面や床面などを照らして光を広げること。明るさを感じるとともに、反射した光が柔らかくなることで目にも優しく、リラックスした雰囲気に。

クリップライトでお気に入りの絵や
ディスプレイを照らす

くつろぎ感と一緒にインテリア性も演出したい場合は、お気に入りの絵やポスター、ディスプレイをクリップライトで直接照らす方法もおすすめ。視線の行く先にあかりを置けば、その空間をよりスタイリッシュに見せられます。

背面に設置した例

テーブルランプで照らした例

ディスプレイに取り付けた例

テーブルランプをプラス

テーブル面を照らすときには、ペンダントライト以外の照明を入れるのも効果的。ダイニングテーブルは家族それぞれの作業や勉強の場としても使われるため、テーブルランプならそんなときにも便利。
テーブルランプは手元の光色を変えられ、日中の作業にも使えるタイプがおすすめです。

BALMUDA The Light/税込39,600円(BALMUDA)
※価格は2023年12月時点

ペンダントライトを効果的に使う

テーブルの上にペンダントライトを吊り下げて食卓を照らすと、料理がより美味しそうに映え、温かみも増します。テーブルの真上に引っ掛けシーリングがない場合も、ダクトレールを取り付ければ位置の調整が可能に。工事が不要なので簡単に照明プランの変更ができます。

インテリアダクトLK04083WZ/税込30,140円(Panasonic)
※価格は2023年12月時点

手もとを照らして温かみを演出

  • ペンダントライトで食卓を照らす
  • ライトの高さはテーブル面から70cmを目安に
  • 引っ掛けシーリングにはダクトレールを
  • テーブルランプは日中の作業にも

01
シーリングスポットライトを使う

「このお部屋のようにあかりを灯すことで、過ごしやすさもアップします。シーリング部分をダクトレールに変えてスポットライトを配置し、2灯を壁面に、残り2灯を手もとに向ければ、部屋の陰影や奥行きの演出と読書や作業の明るさも確保できるので、同じような一室多灯が簡単につくれますよ」(伊藤さん)

02
テレビ裏を照らす

「意外に思われるかもしれませんが、テレビの後ろはライティングに適したスポットです。手軽なクリップライトを置いて壁面を照らせば、壁面との陰影の差がなくなり、目にも優しいですよ」(伊藤さん)

03
植物を照らす

「室内の観葉植物を直接照らしてシルエットを見せるのも、おすすめの配灯です。拡散されたやわらかいあかりとくっきりとした陰影があいまって、非日常のリゾート感も演出できます」(伊藤さん)

「一室多灯」の基本は3つ

  • 手もとのあかりを確保する
  • 壁面のあかりを拡散させて
    メリハリを出す
  • 低い位置にあかりを置いて、夕日のような落ち着ける光をつくる

部屋ごとの雰囲気を変えて
居心地のよい我が家づくりを

「一室多灯」のポイントは「過ごし方によって、自分であかりの色や照らす場所を変える」こと。活動的な時間帯は白〜青みの強い色味をメインに手もとが明るくなる配置を施し、夜が深まるにつれて、オレンジ〜赤みの強い色を使って壁面や床面に光を広げたり、対象に直接当てたりして陰影や奥行きをつくります。それにより、それぞれの時間帯を心地よく楽しめるとともに、部屋ごとにさまざまなシーンと雰囲気の違いも味わえます。
照明は、快適な暮らしに欠かせない大切なアイテム。好みのライトやランプを灯すだけで、簡単にその効果を楽しめます。居心地のよい我が家づくりに、ぜひ色々試してみてください。

伊藤 美佳代

いとう みかよ

住宅収納スペシャリスト/
整理収納・照明アドバイザー

大手電機メーカーの住宅照明プランナー、
照明プランナーを経て現職。

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