(素敵生活2019年10月 79号より)
インターホンおよび自動火災報知設備の更新とエントランス扉ノンタッチキー(非接触キー)工事の同時施工。その中心的役割を担われた第19期理事長の松本さんにお話を伺いました。
アーベントハイム幕張花見川でインターホン・自動火災報知設備・ノンタッチキーの同時施工が検討されたきっかけは、熱感知器の誤作動が頻発したことでした。
一般に消防設備更新時期の目安として、熱感知器・受信機・発信機は15〜20年(機器により異なります)、一方、インターホン更新は15年ほどが目安といわれています。
2000年竣工のアーベントハイム幕張花見川では、エントランスの集合玄関機パネルの故障等もあり、昨年、インターホンと自動火災報知設備等の同時更新が実施されました。同時施工により、居住者の在宅が不可欠な住戸内の工事が一度で済むこと、工事費を節減できること等、大きなメリットもありました。
インターホンはモニターなしの旧タイプから、視認性の良いカラー映像で来訪者を確認できる最新モデルに更新。不在時の来訪者も自動で録画され、住戸内親機で手軽に映像が確認できるようになりました。また各戸の玄関子機にもカメラを導入。玄関先でも来訪者を確認できるようにすることで、セキュリティを一層強化しました。
その他、自動火災報知設備も更新することで、インターホンシステムによる管理室からの一斉放送等も可能となり、防災面でもバージョンアップとなりました。
さらに2つの共用エントランスには、機器にタグをかざすだけで解錠できる「ノンタッチキー」システムを導入。鍵を鍵穴に差し込む手間がなくなり、荷物を抱えた人や、親子連れ、高齢者等にも使いやすくなりました。
また通常の鍵では、頻繁に使用されるエントランスの鍵穴の磨耗や、鍵穴に異物を詰められる等のトラブルが起きる場合がありますが、ノンタッチキー化により、これらの懸念も払拭することができ、快適性と安全面の両方でメリットのある工事となりました。
今回の工事実施にあたり、理事会は修繕委員会とともに検討を重ね、居住者アンケートを実施。ノンタッチキーの配布個数や玄関子機カメラの導入などの細部を決定しました。さらに各世帯から希望日を募って日程を調整し、施工に至ったといいます。
「住戸内での工事はスムーズでした。各戸でインターホンと感知器の両方を交換しましたが、1戸あたり15〜30分ほどでした」と松本さん。エントランスの工事については数日間かかりましたが、インターホンが利用できない期間は、掲示物や宅配業者への周知等で来訪者への対応をしたそうです。
不在時の来訪者等を確認できるインターホンの録画機能が一番のお気に入りという松本さんに、今回の工事を通じて感じたことを伺いました。
「理事会や総会の出席率をさらに上げたいですね。私自身、仕事も忙しく、以前はあまり積極的ではなかったのですが、理事長として工事を経験し、みんなが自分事として改修や更新に関心を寄せる必要があると感じました。各家庭に事情もあり難しい課題ですが、今後も考えていきたい部分です」。
居住者全員の資産である共用部。タイミングよくリニューアルすることで、マンションの魅力を維持、さらには向上させることも可能です。それぞれが関心を持ち、設備の寿命を適切に判断することが、安全・安心・快適な毎日につながるのではないでしょうか。