誰にとっても初めての経験だったコロナ禍の2020年、半年を超えた今でも不安感がつきまといます。だからこそ、日々の暮らしを楽しむことで心身の健康を維持しましょう。 今回は、これからの季節に強化したい免疫力の解説と積極的に召し上がっていただきたい食材、レシピをお伝えします。
これには大きく分けて2種類があります。
侵入してきたウイルスに対して、体内で免疫反応が活発になると発熱の症状が出やすくなります。風邪のひきはじめは鼻や喉からくることが多いのは、ウイルスが粘膜を攻撃しているからです。
ウイルスなどが体内に侵入しないよう、防波堤の役割りを果たす粘膜の免疫力を高く保ちましょう。
下記4つが力を合わせ、粘膜での免疫力を高めます。
まず、粘膜そのものを強化する栄養素・ビタミンAを確保するためにカロテンを摂取します。カロテンは、オレンジ色や濃い緑色の果物・野菜に含まれています。にんじんやかぼちゃ、柿やみかん、ブロッコリーなど、これから旬を迎え美味しくなる食べ物に豊富です。
粘膜を強化する栄養素はビタミンAですが、これには過剰摂取(※)の危険性があります。しかし、カロテンは体内でビタミンAが必要な時に、カロテン→ビタミンAと形を変える特徴があるので過剰摂取を心配することなく摂取が可能です。カロテンを多く含む食品を、毎食、何かしらの料理に加えて、しっかりと摂取することをお勧めします。
※ビタミンAの摂取のために、サプリメントなどを多量に服用すると、急性中毒症状として頭痛、腹痛、めまい、吐き気など、慢性中毒症状として頭痛、関節痛、乾燥肌、脱毛などが見られる。
粘膜の乾燥を防ぐ(保湿)ことで、粘膜上の繊毛(せんもう)の動きを正常に保ちます。
飲み水だけではなく、季節の果物を積極的に食べたり、汁物の量を多めに飲んで水分摂取量を増やしましょう。良質な油の摂取も粘膜保護につながります。これは非加熱で食べられる油のことで、エキストラバージンオリーブオイル等です。亜麻仁油やえごま油などもその中に含まれます。
粘液は、粘膜を保護する働きに優れており、納豆や里芋、なめこなど見た目や食感がネバネバしている食品に多く含まれます。
かぼちゃとにんじんにはカロテンが多く含まれ粘膜強化に役立ちます。
■材料(2人分)
■作り方
※冷凍保存が可能です。
★グラーシュはハンガリーやドイツなどで食べられている、パプリカ風味の汁物。北風が冷たく感じられるこれからの季節にぴったりです。
緑黄色野菜に含まれるカロテンやじゃがいも、ブロッコリーに含まれるビタミンCは免疫力の強化に役立ちます。
■材料(4人分)
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■作り方
粘膜を強くするビタミンAが豊富な鶏肉、にんじん、かぶの葉、白血球の働きを助けてくれるビタミンCたっぷりのれんこん、かぶ、ブロッコリーを使ったシチューです。
■材料(4人分)
■作り方
『負けないカラダをつくる』は、季刊誌「素敵生活」で旬の食材を使った、栄養価が高く体にやさしいレシピを提案している石川三知先生によるシリーズです。
石川三知
Office LAC-U代表 / Body Refining Planner
プロフィール
スポーツ栄養アドバイザー。八王子スポーツ整形外科栄養管理部門スタッフ。中央大学商学部兼任講師。
浦和レッズの栄養サポートを担当するほか、多競技にわたり多くのトップアスリートの栄養サポートを行う。
著書
『身長を伸ばす栄養とレシピ』(学研プラス)
『決して太らない体に「食の法則」1:1:2のレシピ』(マガジンハウス)
『脳を操る食事術』(SB Creative)など多数
ユーキャン『スポーツ栄養プランナー』監修