生活情報

浸水対策工事

マンションの資産価値を考える

止水板・排水逆流防止弁の設置・
電気室等ケーブル貫通部止水処理

大切なマンションを水害から守るための
『浸水対策工事』

毎年のように各地を襲う水害。都市部での内水氾濫(排水能力が追いつかず水があふれる災害)も問題となっています。水害への備えとなる工事を実現された東京サーハウスの第17期理事長角田さんと第18期理事長中藤さんにお話をうかがいました。

台風19号をきっかけに工事の検討を開始

東京サーハウスの管理組合と防災委員会が検討を開始されたのは、2019年の台風19号により同じ多摩川流域の街で被害が発生したことがきっかけでした。当時理事長を務めていた角田さんはご自身で調査を開始。区設掲示板の海抜表示サインをもとに、台風や豪雨により設備が被害に遭う可能性があると判断されました。
これを踏まえ、長谷工グループに調査と提案をご依頼。詳細な敷地測量を基に危険箇所を洗い出し、浸水対策プランを策定。定期総会での決議を受け工事が開始されました。居住者の皆様も水害への危機感を感じておられ、合意は速やかに形成されたそうです。

浸水対策工事

工事の大きな目的は、電気室や管理室などのマンション心臓部を浸水から守ること。
水の浸入経路となる通路には、被害が想定される時に取り付ける「止水板」を設置。排水管には水の逆流を防止するための処置を、また、電気室等のケーブル貫通部(引き込み口)には万が一床下浸水が起こっても床上に水を浸入させないための止水処置を行いました。
地下駐車場入口はチェーンゲートなど設備更新と合わせて施工。コンクリート壁と止水板を組み合わせ、日頃の動線を妨げず、地下設備を水から守る仕組みが完成しました。

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工事後の運用と課題について

止水板は、被害が想定される際に居住者様ご自身の手で設置する設備なので「いつ、誰が取り付けるか」を想定しておく必要があります。

東京サーハウスでは理事長の判断をもとに、自治会主体の防災委員会と管理組合とが連携を取りながら設置を行うこととされています。実際に止水板を設置する訓練も行い、止水板等の保管場所や設置の手順などを確認されています。
また駐車場入口に止水板が設置された場合は、車の通行ができなくなります。その点については管理規約の細則変更で対応。駐車場利用者は災害時に入場制限が行われることを容認する旨などが盛り込まれました。
現理事長である中藤さんが今、尽力されているのが組織体制の設備や、災害時の運用などの明文化です。マンションの防災や災害時の対応について、わかりやすく誰もが引き継げるようにしておくことで、いざという時にスムーズに対応することが可能になります。

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今回の浸水対策の中でも重要な場所、地下駐車場入口を中心に止水板設置訓練が行われました。

止水板の①設置箇所②保管場所③重さ④設置手順⑤設置までの所要時間などを確認。実際に訓練を実施することで、いざ災害が起きた時の運用のイメージを共有することができました。

支柱を立て、止水板を取り付ける

支柱を立て、止水板を取り付ける

設置が完了

設置が完了

コミュニティの力で災害に強いマンションへ

「災害時に協力し合えるような風土を醸成することが重要だと考えています」と中藤さんは話します。従来東京サーハウスでは地域ぐるみのイベントを多く開催してこられましたが、コロナ禍により中止に。そんな状況の中でも理事会と自治会、防災委員会の連携を密にし、会議の際などに課題や状況等の情報を深く共有する努力をされています。

いざという時に大切な命と皆様の資産を守るため、何よりの戦力となるのは互いに助け合うコミュニティの力。美しい風景の中に子どもたちの笑い声が響く東京サーハウスには、豊かなコミュニティが醸成されていました。

東京サーハウス

所在地:東京都大田区
竣工:2003年
管理:長谷工コミュニティ

緑と水の美しい風景に彩られた東京サーハウス。天然温泉のスパやプール、フィットネスジム、シアタールームなど共用施設も充実した、人気の大規模マンションです。

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