2022/12/07

防災・防犯

災害支援を続ける「モンベル」が提案する“もしも”への備え【前編】

アウトドアの知恵と知識から学ぶ、防災の心得とは?

すてき度

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日本生まれのアウトドアブランド「モンベル」。“Function is Beauty(機能美)”と“Light & Fast(軽量と迅速)”をコンセプトに開発された商品の数々は、本格的なアウトドアシーンはもちろん、タウンユースとしても大人気。130以上の店舗数を誇り、幅広くユーザーに支持される一方で、災害支援活動でも広く知られています。1995年の阪神・淡路大震災時、当時社長だった辰野勇氏(現会長)が被災地へ駆けつけ、被害の少なかった神戸・六甲店を拠点に社員の方々と支援活動を行いました。これを契機に立ち上げた組織が「アウトドア義援隊」です。今回は、モンベルが提唱する災害に対する意識や防災への備えについて、広報部長の佐藤和志氏に伺いました。

アウトドア義援隊の発足時から活動されてきた佐藤さん。阪神・淡路大震災、東日本大震災という未曾有の大災害時も、翌日には被災地に赴いたといいます。災害は発生予測がつかないものですが、現在は100万人を超す会員組織のサポートもあり、すぐに動ける体制になっているそうです。

「状況にもよりますが、現地にはできるだけ早く入るようにしています。 まずは最寄りの自社店舗を拠点に、テントや寝袋、衣料などを配布したり、アウトドア業界や会員の方たちに協力を呼びかけたりと、公的支援が動けない段階での迅速な支援を目指します。その後、被災物の撤去や片付け作業といった復旧や復興のお手伝いへとつなげていきます」

2016年熊本地震

2020年7月豪雨災害時

(写真左)2016年の熊本地震の際にはモンベル南阿蘇店を拠点として、
被災された方々へのテント・寝袋・マットの貸し出しを行った
(写真右)2020年7月豪雨災害時、家屋の泥かきなどの作業を行う様子
(写真提供:モンベル)

(写真左)2016年の熊本地震の際にはモンベル南阿蘇店を拠点として、被災された方々へのテント・寝袋・マットの貸し出しを行った
(写真右)2020年7月豪雨災害時、家屋の泥かきなどの作業を行う様子
(写真提供:モンベル)

不便を解消するHow to はアウトドアライフの中にある

「アウトドアの楽しみのひとつに、『不便を楽しむ』ということが挙げられます。 あるものでまかなう、そのための工夫やスキルを覚えることが非日常的で楽しいですよね。不便という点では、被災地での生活も同じです。だからこそ、楽しいアウトドア体験を通じて不便さに慣れておいたり、装備やスキルを充実させたりすることは、災害時のいざという時に役立つはずです。テントの設営や火おこしなど、キャンプの基礎知識を身につけておくと、もしものときの安心感が違うと思います」

暮らしの中の防災

モンベルの特設ページ「暮らしの中の防災」には、毎日の暮らしやアウトドアでの遊びを通して、
普段からの防災に役立つ知識とアイテムが網羅されている(写真提供:モンベル)
「暮らしの中の防災」

モンベルの特設ページ「暮らしの中の防災」には、毎日の暮らしやアウトドアでの遊びを通して、
普段からの防災に役立つ知識とアイテムが網羅されている(写真提供:モンベル)
「暮らしの中の防災」

防災意識を高めるために自宅でできること

「モンベルでは、全国でキャンプ体験のイベントを開催し、製品を通じて防災意識を高めてもらおうとしています。このようなイベントへの参加をしてみるほか、手軽でおススメしたいのが、自宅でキャンプ体験をしてみることです。部屋を暗くし、ヘッドランプやろうそくの明かりのもとでどれだけ動けるか試してみるのもいいでしょう。 とっさの停電時に邪魔になる家具や物に気が付くことでしょう。我が家の場合は子どもたちが最初は騒いでいましたが、すぐに慣れて行動していて、大人よりも順応力が高いなと感じました」

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災害は突然やってくる。まず大切なのは「あわてずに、身の安全を確保する」こと。
自宅でのキャンプ体験を通して防災意識を高めたい(写真はイメージ)

災害は突然やってくる。まず大切なのは「あわてずに、身の安全を確保する」こと。
自宅でのキャンプ体験を通して防災意識を高めたい(写真はイメージ)

「食事は消費期限のチェックも兼ねて、キャンプ用のフリーズドライ食品や備蓄している缶詰などを食べてみましょう。味や量、食べやすさ、好みや調理のしやすさなど実際に試してみることで、細かい点にも気づくことができます。
安全を確保できる場所で寝袋を使ったり、スペースがあればテントを張ったりして、非日常を体験してみてください。しまい込んだキャンプ用具や防災用品を実際に使う。これが災害時に備える大切なシミュレーションになります。大切なのは、普段から楽しく慣れておくことです。これが実際の場における順応力の差につながると感じています」

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テントは災害時には就寝スペースだけではなく、着替えや授乳スペースとしても利用できるほか、子どもの居場所としても活用でき親の負担の軽減にもつなげられる。寝袋と合わせて常備しておきたい(写真左)「クロノスドーム4」(税込39,380円)(写真右)「シームレス バロウバッグ #3」(税込15,950円)(写真提供:モンベル)

テントは災害時には就寝スペースだけではなく、着替えや授乳スペースとしても利用できるほか、子どもの居場所としても活用でき親の負担の軽減にもつなげられる。寝袋と合わせて常備しておきたい(写真上・中)「クロノスドーム4」(税込39,380円)(写真下)「シームレス バロウバッグ #3」(税込15,950円)(写真提供:モンベル)

モンベル広報部に聞く!「備えておきたい、アウトドアアイテム」(前編)

モンベル広報部に聞く!「備えておきたい、アウトドアアイテム」(前編)

モンベルが取り扱うアウトドア用品は、時代に応じてたくさんの進化を続けています。 ここでは、アウトドアの観点から常備しておきたい商品を、モンベル広報部の黒瀬さん・宮川さんに伺いました。
※写真提供:モンベル/価格は税込

「短時間で食べられて、冷めにくくておいしい」というコンセプトのもとにモンベルが開発した、フリーズドライのアウトドア用食品 「リゾッタ」は、お湯を注いで3分で食べることができ、賞味期限が5年半と長いのもポイントです。現在は10種類の味が楽しめますが、ベーコントマトクリーム味、カレー味、梅しそ味が根強い人気を誇ります。そのままでもスナック感覚で食べられて、お酒のおつまみにする方も多いんですよ(笑)。

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お湯を注いで3分待つだけで温かいご飯ができあがるリゾッタは、
味のバリエーションも豊富で避難時も飽きにくい。
長い賞味期限を持つため、非常食として保管しておくのに最適。
スプーンとフォークが一体になったアウトドアならではのカトラリーも便利。
「ベーコントマトクリーム リゾッタ」475円
「カレー リゾッタ」421円
「梅しそ リゾッタ」421円
「フォールディング スポーク」385円

お湯を注いで3分待つだけで温かいご飯ができあがるリゾッタは、
味のバリエーションも豊富で避難時も飽きにくい。
長い賞味期限を持つため、非常食として保管しておくのに最適。
スプーンとフォークが一体になったアウトドアならではのカトラリーも便利。
「ベーコントマトクリーム リゾッタ」475円
「カレー リゾッタ」421円
「梅しそ リゾッタ」421円
「フォールディング スポーク」385円

温かいお湯を得ることが難しい災害時において、保温ボトルも便利なアイテムのひとつ。登山用に開発されているため、高い保温力を持ちながら非常に軽量コンパクト。これからの寒い時期には、外出先でも温かい飲み物が飲める、日常でも非常に使いやすいアイテムです。

アルパイン サーモボトル 0.5L

極寒の環境でも抜群の保温効果を発揮する、登山用に開発された軽量サーモボトル。
グローブ着用時でも扱いやすい仕様で、別売のキャップに変えると直飲みが可能に
「アルパイン サーモボトル 0.5L」3,850円

極寒の環境でも抜群の保温効果を発揮する、登山用に開発された軽量サーモボトル。
グローブ着用時でも扱いやすい仕様で、別売のキャップに変えると直飲みが可能に
「アルパイン サーモボトル 0.5L」3,850円

避難時に明かりは欠かせません。夜間はもちろん、昼であっても場所によっては停電により暗い中での避難を余儀なくされます。明かりは常に持ち歩きたいもの。 コンパクトなランタンタイプで首にかけられるものもありますが、使い勝手を重視するなら、両手が空けられて、見たい方向をきちんと照らせるヘッドライトを候補に入れておきたいところです。また、バッテリーがUSB充電式なのか電池式なのかも、チェックしておきたいポイントです。

コンパクトヘッドランプ

汎用性の高い単3形電池1本で使用でき、5〜60ルーメンの明るさ調整ができる軽量ヘッドランプ。
歩行を目的とした高輝度白色LED(1灯)と、目に優しい電球色LED(1灯)を備え、
ニッケル水素充電池やリチウム電池にも対応。
「コンパクトヘッドランプ」2,420円

汎用性の高い単3形電池1本で使用でき、5〜60ルーメンの明るさ調整ができる軽量ヘッドランプ。
歩行を目的とした高輝度白色LED(1灯)と、目に優しい電球色LED(1灯)を備え、
ニッケル水素充電池やリチウム電池にも対応。
「コンパクトヘッドランプ」2,420円

佐藤和志(さとう・かずし)

モンベル広報部 部長

プロフィール
1988年、株式会社モンベル入社。営業職やストアマネージャーを経て2008年から広報部へ。アウトドア義援隊のほか、マーケティング全般、モンベル会員組織の運営、イベント運営、さらには地方自治体との提携事業などを行う。最近はアウトドアのノウハウを活かした地域活性化やグランドデザインの仕事で地方に出かけることも。趣味はバイクと釣りで、休日は自然豊かな海や山を巡っている。

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アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で、
災害時にも活用できるモンベルのアウトドアアイテムを各3名様にプレゼント!

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