アウトドアの遊びを通して身近な自然に触れ合うことが大切

阪神淡路大震災の時に発足したアウトドア義援隊の災害支援活動は、モンベルの会員組織であるモンベルクラブのサポートも受けて継続してきました。発足時には数万人ほどだったモンベルクラブの会員数は、現在110万人と飛躍的に伸びたそうです。

「最近は30代から40代の、いわゆるファミリー層の入会が非常に増えている印象です。モンベルでは日本全国で多くのアウトドア・ツアーやイベントを開催していますので、初心者の方でもハイキングやキャンプなどを普段の遊びに取り入れる体験をしてもらえます。子どもにも楽しく自然と向き合う経験を積ませて、いつでも災害に対処できる発想力や精神力を養ってほしいですね」

灯りの確保だけではない生活用水の考え方

前回は、とっさの停電に備える、自宅でのキャンプ体験を提案してもらいましたが、ほかにも意識しておくべきことはたくさんあるそうです。

「断水した時の対策として、お風呂から上がったときに湯船を洗って水を溜めておけば、トイレや掃除などの生活用水が確保できます。飲み水はさらに、簡易ろ過器や煮沸によって不純物や化学物質を取り除く必要がありますが、これは登山やアウトドアで湧水を飲用する場合に使われる浄水プロセスと同じです。日頃から登山やアウトドアに親しんでいれば、災害時にもリスクを軽減して飲用水を確保することにつながるでしょう。アウトドアでも安全な水を素早く確保できる浄水ボトルは、災害時はもちろん、海外旅行にも役立ちます」

「避難時には両手が自由に使えるよう、リュックタイプのバックの使用をおススメします。上記のように、暗闇で光に反射して光る反射マークやIDタグが付いた一次避難の際に適したバックのほかに、登山にも日常使いにも兼用できるリュックタイプのバッグもありますが、どちらも頑丈で背負いやすく疲れにくい作りになっています」

「あると便利なアイテムとして、防水のスタッフバッグもおすすめです。濡れてもいいものと濡れてはいけないものを仕分けることができるので、非常時だけではなく、旅行やレジャー、日常的なお出かけの中でも活躍するアイテムです」

「携帯トイレは、非常時だけではなく、登山などのアウトドアに出かける際にも持参をおすすめするアイテムです。山にはトイレが少なく、場所によっては全くない所もあるので、自然を守るためにも準備しておきたいもののひとつ。普段から使用する機会をつくっておくと、災害時にも抵抗なく使うことができます」

軽量で簡単にお湯を沸かせるアイテムで注目なのが、電気ケトルのように、500ml程度をすぐに沸かせるジェットボイルという商品です。これはバーナーとクッカーがセットになっていて、コンパクトに収まります。また、本体にインジケーターが付いているので、初心者の沸かしすぎも防ぎます。数種類のバリエーションがあり、別売りのオプション商品も豊富です。