マンションで災害が起きた場合の在宅避難に備えて、日頃から食料や水、燃料などを自宅に備えておく「ローリングストック」の基本と食材の活用法をご紹介します。

非常食を特別に用意するのではなく、普段の食事で使う食品を少し多めに買い置きし、使った分を補充する。これがローリングストックの考え方です。パックご飯やうどんやそばなどの乾麺、缶詰、フリーズドライ食品、ようかんやチョコレートなど、日常でも使えるものを中心に備蓄するのをおすすめします。
古いものから使うルールを家族で共有し、3〜6か月ごとに賞味期限をチェックすれば、無理せず、負担も少なくできるでしょう。


窓サッシを新しくすることで、断熱効果が高まるため、夏冬の快適性が大きく改善するメリットがあるといえるでしょう。現在主流の複層ガラスや熱伝導率の低い素材を選ぶと、冷暖房の効果をさらに高めることができます。
停電時に温かい食事を作れるよう、カセットコンロとボンベのセットも忘れずに。カセットコンロ本体も10年程度が交換の目安とされており、古い機種は部品の劣化やガス漏れの恐れがあるため、定期的に点検、買い替えを検討しましょう。



田上真一(たがみ・しんいち)
防災士/長谷工コミュニティ素敵生活部門 統括部長
プロフィール
コミュニティ形成支援の経験を活かし、お客様サービス部門を統轄。愛猫との時間がいちばんの癒し。

監修/島本美由紀 協力/株式会社Gakken
もしものときの食材の使い方
冷蔵庫内の食品で1〜2日をしのいでから、3日目以降は常温保存食品、非常用の備蓄品を有効活用します。
※消費期限や賞味期限は、季節や環境で大きく左右されます。必ず食材の状態で判断しましょう。

Column
常温で長期保存できる「ロングライフ紙パックの食品」
賞味(消費)期限が気になる豆腐や、冷蔵庫に入れると場所を取る豆乳や牛乳などの備蓄には、常温で長期保存できる「ロングライフ紙パック」を使ったものもおすすめです。購入時は「常温保存」の記載の有無をチェックしてみましょう。

ポリ袋調理に必要な道具と
調理の基本手順
湯せんする場合は基本的に味見ができないので、分量どおりにつくることがポイント。沸騰までの時間や予熱も賢く利用して、ガスボンベの節約につなげましょう。

【道具】
⃝耐熱ポリ袋 ⃝カセットコンロ ⃝ガスボンベ ⃝鍋 ⃝耐熱皿 ⃝水 ⃝ラップ
⃝キッチンバサミやピーラー ⃝トングや菜箸 ⃝計量カップやスプーン
※ポリ袋は高密度ポリエチレン製(耐熱温度90〜110℃)で湯せんができるものを選びましょう

ポリ袋の中に具材と調味料を入れ、味がなじむように、ポリ袋の上から具材を混ぜ合わせる。

袋の中の空気を抜き、袋をねじりあげて口を固く結ぶ。

熱で袋が破れないように、水が入った鍋の底に耐熱皿を敷く。

ポリ袋の口まで鍋の中におさめ、蓋をして加熱する。

簡単&ボリュームも◎
豆腐とツナの
塩昆布和え

材 料 (つくりやすい分量)

作り方
1.
豆腐は水をすててポリ袋に入れ、ツナを缶汁ごと加え、塩昆布とAを入れて、袋の上からもむようにしてよく混ぜる。

2.
器に盛り、お好みで万能ねぎを振る。

定番の照り焼きを焼かずに調理
照り焼きチキン

材 料 (2人分)
作り方
1.
鶏もも肉は小さめのひと口サイズに切る。

片栗粉はダマになりやすいので、Aのたれは先によくもみまぜる。
2.
ポリ袋にAを入れてよく混ぜ、1を加えてよくもみ、袋の空気を抜いて先をねじり、上のほうで結ぶ。
3.
水を入れて耐熱皿を敷いた鍋に2を入れ、蓋をして火をつける。
4.
沸騰したら弱めの中火で8分ゆで、火を止め余熱で10分置く。
POINT!
鶏肉はハサミで切ればまな板が汚れず、災害時は節水に。ひと口サイズに切ると短時間で味がしみこむ。豚肉でつくっても◎

余ったおもちをアレンジ
もちボロネーゼ

材 料 (1人分)
作り方
1.
ポリ袋に切りもちとボロネーゼソースを入れ、袋の空気を抜いて先をねじり、上のほうで結ぶ。

2.
水を入れて耐熱皿を敷いた鍋に1を入れ、蓋をして火をつける。
3.
沸騰したら弱めの中火で5分ゆで、火を止め余熱で5分置く。
4.
器に盛り、お好みで粉チーズとドライパセリを振る。
POINT!
切りもちを使えばパスタをゆでる手間なし。一緒に湯せんすることでおもちとソースが絡みます。ボロネーゼソースは他のパスタソースやカレーに変えても◎

湯せんでふわふわに仕上がる
フレンチトースト

材 料 (1人分)
作り方

1.
食パンは6等分に切る。
2.
ポリ袋にAを入れ、袋の上から卵を押しつぶし、よくもみほぐす。1を加えて全体に浸し、袋の空気を抜いて先をねじり、上のほうで結ぶ。
3.
水を入れて耐熱皿を敷いた鍋に1を入れ、蓋をして火をつける。
4.
沸騰したら弱めの中火で5分ゆで、火を止め余熱で5分置く。
5.
器に盛り、メープルシロップをかける。
POINT!
重ならないように入れると、くっつかず、仕上がりがきれいに。


サバの味噌煮を缶汁ごと使って、
うまみがアップ!
豆サバカレー

材 料 (2人分)
作り方

1.
ポリ袋にすべての材料を入れて軽くもみ、袋の空気を抜いて先をねじり、上のほうで結ぶ。
2.
水を入れて耐熱皿を敷いた鍋に2を入れ、蓋をして火をつける。
3.
沸騰したら弱めの中火で5分ゆで、火を止め余熱で10分置く。
POINT!
「代替え用品」大豆はひよこ豆やサラダ用のミックスビーンズでも代用できます。トマトジュースはカットトマトに変えてもOKです。

島本美由紀(しまもと・みゆき)
料理研究家・食品ロス削減アドバイザー
プロフィール
家事全般のラク(楽しくかんたん)を追求する「ラク家事アドバイザー」としても活動。身近な食材で誰もが手軽においしく作れるレシピを提案し、家庭からの食品ロスを減らすための冷蔵庫収納や食品保存なども紹介している。


非常時には、不便なことや大変なことがたくさん出てきますが、備えと知恵があれば、いざというときも安心です。ここからは、引き続き島本さんに、もしものときに役立つ防災のアイデアをご紹介していただきます。

裏ワザ①
ペットボトルの水は
期限が切れても実は飲める
表示されている賞味期限は、「長く保存すると水が蒸発して内容量が変わってしまうために設けた期限」なので、期限が切れても安全性に問題はありません。直射日光や高温多湿を避けて保存していれば、期限後でも飲めます。気になる場合は加熱して使いましょう。

裏ワザ②
1人分のパスタを
ぺットボトルのキャップで計る
パスタ1人分は100g。ペットボトルのキャップにパスタを立てればおおよそ100gになるので、計量器がなくても簡単に計ることができます。ペットボトルを保存容器にしておけば、ひっくり返すだけで1人分が取れます。

裏ワザ③
ペットボトルの
キャップ2杯で大さじ1
ペットボトルのキャップは規格が統一されています。キャップ1杯は7.5cc(ml)、大さじ1は15cc(ml)なので、キャップ2杯で大さじ1になります。計量スプーンがないときなどにも代用できるので、覚えておくと便利です。

裏ワザ④
袋麺は
お湯がなくても水で作れる
袋麺は水だけでもつくれます。麺を半分に割って分量の水を直接注ぎ、20分ほど待つだけ。袋が器代わりになるので、食器を洗う水も節約できます。もちろん、カップ麺もOK。製品によっても待つ時間が違うので、事前に試してみましょう。

裏ワザ⑤
そうめんは
フライパンで茹でるとエコ
加熱時間を短縮するそうめんの茹で方です。フライパンの7分目まで水を入れ、沸騰したらそうめんを加えます。箸で5〜6回混ぜてほくしたら、蓋をして火を止めて2分置くだけ。フライパンを使えば少量の水でつくれ、吹きこぼれの心配もありません。

裏ワザ⑥
停電時の冷蔵庫には
ペットボトル氷が活躍
空のペットボトルに9割の水を注いで冷凍しておき、停電時に冷蔵庫に入れると肉や魚を守れる氷冷蔵庫になります。氷は大きいほど溶けにくく、溶けたら手を洗ったり歯を磨いたりと、生活水として使えます。冷たい空気は上から下に流れる性質があるので、冷蔵庫の上段に入れると冷えをキープできます。

裏ワザ⑦
災害時に重宝するラップフィルム
紙皿や食器にラップを敷いて食事すれば、あとはラップをはがして捨てるだけ。食器を洗う必要がなく、手間と水の節約になります。紙皿+ラップなら、何度も使いまわしができてゴミにならず、物資不足のときにも便利です。
また、ラップは食器を洗うスポンジ代わりにもなります。ラップを30〜40cmほどの長さに切って、くしゃくしゃに丸めるだけ。ラップには吸水性がないので、少量の洗剤と水だけでもしっかりと泡立ちます。こぶしくらいの大きさに丸めれば、身体を洗うときにも活用できます。
さらに、ラップを細く丸めれば紐の代用になり、ものをまとめたり、しばるときなど何かと重宝します。
