10月1日は衣替えの日。とはいえ厳しい残暑もあり、あわてる必要はありません。気温を見ながら少しずつ、この機会に手持ちの服も整理していきましょう。マンションの湿気に負けない収納のコツを、整理収納のプロに教えてもらいました。
季節の変わり目は、衣類の収納に悩む時期です。特にマンションは気密性が高く湿気がこもりやすいため、しまい方を誤ると、カビやにおい、型崩れの原因になりかねません。
逆にいえば、住まいの特性を踏まえたひと工夫で、大切な服を来シーズンも気持ちよく着られることにつながります。
「衣替えは、持ち物を見直すにはいちばんいい機会です。しまう前にひと手間かけておくと、来シーズンの状態がまるで違ってきます」。こう語るのは、整理収納サービスの代表・大橋わかさん。秋冬を心地よく迎えるコツを伺いました。





衣類には形が保てるタイプを。掃除機で空気を抜き、八割圧縮でシワと型崩れを防ぎます。
大橋さん
衣類の圧縮袋は、布団用の『袋だけ』の大きなタイプよりも、服の形を保ちやすいものがおすすめです。ファスナー付きの布ケースに圧縮袋が内蔵されたものや、ハンガーにかけたまま圧縮できるものなどが便利です。空気は掃除機を使うときれいに抜けます。丸めるタイプはシワの原因になります。
最大のコツは、「シワになってもいいもの」と「いけないもの」を分けること。下着や靴下などは小さくぎゅっと、シワを避けたい服は八割ほどの圧縮でとどめましょう。詰め込みすぎは禁物です。なお圧縮袋は、時間とともに空気が戻ることも。定期的に見直すと安心です。



オフシーズンで保管する衣類は立てずに平たくたたみ、防虫剤は衣類の上に置く。家庭用オゾン機器は居住スペースのみならず、玄関や下駄箱でも活用できる。
大橋さん
必ず洗濯し、しっかり乾かしてからしまうことが大前提です。皮脂汚れが残っていると、時間とともに油っぽいにおいの原因に。「洗ったかを迷ったら、リセットのつもりでもう一度洗う」くらいでちょうどよいでしょう。
カビは「汚れ・湿度・温度」の三つが重なると発生します。裏を返せば、どれかを断てば防げるということ。汚れは栄養源になるので落とし、湿気は換気と除湿剤で逃がしましょう。防虫剤は、成分が下に広がるよう衣類の上に置くのが正解です。においが気になるときは、家庭用オゾン機器の活用も一案です。



大橋さん
Tシャツや薄手のカットソーなど、夏物をしまうときは、かさばらずシワにならない畳み方がポイント。左右の袖が重ならないように折り込み、「平らに、大きく」畳みましょう。こうすると服がフラットになり、収納ケースに重ねても中央が盛り上がらず、薄くすっきり収まります。たくさん入るのもうれしいところです。
この畳み方は、厚手のニットやトレーナーなど、これから出番の冬物にも役立ちます。畳んでできた隙間に薄手のインナーや靴下を入れると、収納スペースを無駄なく使えます。ストールやスカーフ、テロテロとした崩れやすい素材は、マチのない平らな洗濯ネットやジッパーバッグに大きく畳んで入れておくと、ケースの中でずれたり絡まったりせず、取り出すときもきれいなままです。
1/14 シワが寄らないように伸ばす
2/14 裾から1/3ほどのところの両端を持ち、背中側へ畳む
3/14 畳んだら形を整える
4/14 右袖を左袖のつけ根のほうへ畳む
5/14 右袖と平行になるように左袖を畳む
6/14 右手で左肩を、左手で裾を持ち中央まで手前に畳む
7/14 手の向きを変え、右半分を畳む
8/14 上から手前に向けてクルクルと巻いていく
9/14 畳み終わったところ
10/14 左手でつかみ、右手の親指を上側のすき間に入れてつかむ
11/14 持ち上げるとやりやすい
12/14 右手を外側へ返しながら、下へ引っ張る
13/14 引っ張りながら、下まで覆って入れ込む
14/14 完成。立てても収納できる
1/7 シワを伸ばして平らに置く
2/7 両袖を畳む
3/7 反時計周りに90度回し、両端を中央で合わせるように、もう一度折り込む
4/7 さらに両端を中央であわせるように畳む
5/7 両端を持ち、右端を左端に合わせるように畳む
6/7 完成
7/7 立ててしまうとシワがつきにくい
1/4 シワになりやすいシャツは背中側を大きく畳む
2/4 左右→裾側を畳み、襟側を折り返す
3/4 シワが寄らないように注意しながら、ジッパーバッグに入れる
4/4 完成
1/5 ボタンは止めなくてもOK。襟は内側へ畳んでおく
2/5 両袖を畳んで重ねる
3/5 左右の端をさらに中央に向けて折り込み、右手で裾を持ち、左手を中央に置く
4/5 左手を支点にして右側を持ち上げ、襟と裾の位置が揃うところまで折り畳む
5/5 裏返して整えたら完成
1/6 フードは軽く畳んでおき、右袖をピンと張って袖口を左肩の肩口のほうへ畳む
2/6 左袖を畳んだ右袖の下のラインに沿って畳む
3/6 正面から見たところ
4/6 裾の両端を持ち、首元に向けて畳む
5/6 シワが入らないように注意して、フードを手前側へ畳む
6/6 裏返して整えたら完成
1/4 半分に折り、片側の端を1/3ほど畳む
2/4 畳んだほうの端を持ち、押さえながら巻いていく
3/4 しっかりと巻きながら形を整える
4/4 完成。収納ケース内の隙間も埋められる



衣替えは、持ち物を見直す絶好のタイミングです。しまう服・出す服をすべて手に取るこの機会に、点検もあわせて行うのが効率的です。
衣類のチェックは明るい場所で行うのがコツ。汚れや黄ばみ、毛玉、襟のよれは、自然光の下でよく見えます。白いTシャツや靴下の裏など、くたびれが出やすい部分は要チェックです。基準に満たないものは、思いきって手放しどきです。
大切なのは、服の「数」より「状態」と「組み合わせる力」。おしゃれな人ほど持ち物は多くなく、状態のよい服を上手に着回しています。「いつか着るかも」と取っておいた服も、明るい場所で見直せば、意外と手放す決心がつくもの。年に二回の衣替えを、クローゼットも気持ちもすっきり整える機会にしてみてください。

衣類の整理収納に役立つヒントをもっと知りたい
1 身近な文具で仕分け上手
収納ケースの中は、ブックスタンドで仕切ると種類ごとに分けられます。バインダークリップにマスキングテープを貼り、「厚手」「クルーネック」などと見出しを書いてスタンドにつけて収納すれば、ひと目で選べます。

2 秋冬の衣替えは二段階で
気候の変化で、一度に衣替えをしない方も増えています。おすすめは二段階。まず十月に、薄手の羽織りものから用意しておくと、急な冷え込みにも対応できて安心です。本格的に寒くなる年明けに、真冬物を出しましょう。

3 頼れる保管付きクリーニング
かさばる冬物は、洗って預かってくれる保管付きクリーニングも便利です。一点ずつ出すより割安で、かつ収納スペースを有効に使うこともできます。ただし、戻す時期は計画的に指定しておきましょう。

収納ケース内の除湿剤は衣類の上に置き、「オフシーズン」など開けずに判別できるラベルを貼って上段へ。
大橋さん
クローゼットや押し入れは、上の方が乾燥しやすく、下の方に湿気がたまりやすい傾向があります。そこでおすすめなのが、収納場所の「上下の使い分け」。
オフシーズンの衣類は枕棚など上部にしまい、毎日使うものを下段に置きましょう。下段は日々開け閉めするので、自然と空気が入れ替わります。
あわせて、除湿剤も活用しましょう。結露が気になる時期はクローゼットの扉を開け気味にして、サーキュレーターや扇風機で風を送ると、こもった空気が入れ替わります。定期的な換気と掃除機がけも、湿気対策には効果的です。この積み重ねが、大切な服を守ります。