「いつも食材でいっぱい」「奥のものが取り出せない」「いつのまにか消費期限が過ぎていた」「食べ忘れて捨てることに…」など、冷蔵庫の整理・収納は家事の悩みごと、困りごとのひとつです。
「冷蔵庫内の適した場所にきちんと保存されていれば食材は長持ちし、ロスも減ります。また、整理されていると取り出しやすくなって余計なストレスがなくなり、料理もしやすくなります」と言うのは、料理研究家で食品ロス削減アドバイザーの島本美由紀さん。冷蔵庫の収納術について教えてもらいました。
野菜や果物は基本的にむき出しにせず、包装されていた袋で密閉するかキッチンペーパーや新聞紙に包むことで乾燥を防ぎます。また、葉物野菜は立てて保存するなど、野菜は育った環境に近い状態で保存するとストレスがかからず鮮度が保たれます。
レタスの芯に爪楊枝を3本ほど刺すと、成長点の働きが止まり長持ちします。ポリ袋に入れて保存。
エチレンガスを出すりんごやアボカドは、近くの野菜や果物の成熟を早めるので1個ずつラップします。
肉や魚を冷蔵・冷凍する際は、キッチンペーパーやラップに包んで保存袋に入れるダブル使いにします。乾燥から守り、おいしく冷蔵・冷凍できます。
買った日の翌日に使う肉や魚はキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れてチルド室で保存しましょう。
すぐ食べない肉や魚はラップで包み、冷凍用の保存袋に入れて急速冷凍して保存しましょう。
冷蔵庫は部屋ごとに温度が違うので、最適な温度で食材を保存しましょう。また、定位置を決めすぎないのもコツ。
ひと目で見渡せるように収納し、種類や目的で食材をまとめて、トレーを使って取り出しやすいようにしてみましょう。
容量に対して冷蔵室は7割以下、冷凍室は8割以上の収納が節電になります。
※冷蔵庫の各室の温度はメーカーによって異なります。
冷蔵庫は部屋ごとに温度が違うので、最適な温度で食材を保存しましょう。また、定位置を決めすぎないのもコツ。
※冷蔵庫の各室の温度はメーカーによって異なります。
ひと目で見渡せるように収納し、種類や目的で食材をまとめて、トレーを使って取り出しやすいようにしてみましょう。
容量に対して冷蔵室は7割以下、冷凍室は8割以上の収納が節電になります。
長期保存できる
ストック品や飲み物
最上段は下段より温度が3℃ほど高く、奥が見えにくいので長期保存できるものや振動に弱いビールなどを。
つくりおきや
セット収納したもの
保存容器は中が見えるタイプのもので忘れないように。お弁当セット、朝食セットなど使う目的が同じものをまとめておくのも便利。
鍋や調理中のボウル、
使いかけのもの
調理中のボウルやおかずが残った鍋をそのまま入れるスペースに。目につきやすいので使いかけの食材もまとめておけます。
肉、魚、加工品、
発酵食品
発酵のスピードをおさえるので納豆やキムチなどもおすすめ。
温度変化に強い
飲み物や調味料
ドアの開け閉めの際に冷気が逃げやすいので温度変化に強い飲み物や調味料を。
つぶれやすい野菜や果物
下段だとまぎれてしまう小さなものも。
大きめの野菜や葉物野菜
細々したもの、よく食べるもの
下段に入れるとまぎれてしまうご飯、薬味などを。
冷凍した肉や魚、野菜、冷凍食品
保存袋には食材名、冷凍した日付を書きましょう。
「え!そうなの?」と意外に知らなかった保存方法をご紹介
チルド にんにくはチルド室へ
一片ずつならまとめて、丸ごとなら全体をキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室より温度が低いチルド室へ。
一片ずつならまとめて、丸ごとなら全体をキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室より温度が低いチルド室へ。
冷凍 豆腐は冷凍して肉代わりに
未開封の豆腐ならそのまま冷凍すれば水分が抜けて凍み豆腐のような食感に変化します。肉の代わりに使っても。木綿でもOKです。
未開封の豆腐ならそのまま冷凍すれば水分が抜けて凍み豆腐のような食感に変化します。肉の代わりに使っても。木綿でもOKです。
冷凍 味噌は冷凍室で保存
味噌は冷凍しても凍らず、冷蔵室で保存したのと同じように使えます。また発酵が遅くなり日持ちするので冷凍保存がおすすめ。
素材に下味をつけて冷凍しておけば、解凍して炒めたり、焼くだけですぐに料理が完成します。味がしみ込んでおいしいのはもちろん、肉や魚がやわらかくなる効果もあります。
マヨネーズ+にんにくでコクうま!
鶏むね肉のガーリックマヨ漬け
保存期間:2か月
食べ方
冷凍した鶏肉は冷蔵室に移して解凍し、フライパンで炒める。お好みで小口切りにした小ねぎを散らす。
しっとりやわらかで、ご飯がすすむ!
鮭のヨーグルト味噌漬け
保存期間:2か月
食べ方
冷凍した鮭は冷蔵室に移して解凍し、漬けだれをしっかり取り除く(焦げやすいため)。魚焼きグリルで約8分焼く(中火)。
お好みでししとうを一緒に焼いても。
参考文献/『ムダなく使いきれる! 冷蔵庫収納術』(島本美由紀 著・コスミック出版)
写真/安部まゆみ
島本美由紀(しまもと みゆき)
料理研究家・ラク家事アドバイザー
プロフィール
身近な食材で誰もが手軽においしく作れるレシピを提案。
家庭からの食品ロスを減らすための冷蔵庫収納や食品保存なども紹介している。