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日本の美しい
ものづくり
「旭川家具」

特集

伝統の技と
新しい感性で
暮らしを照らす

愉しむ

厳しい自然と向き合いながら暮らす北海道には、長い冬をお部屋で心地よくすらすための知恵が積み重ねられてきました。

木のぬくもりに溢れ、高いクラフトマンシップを感じさせる旭川家具も、そんな北海道の暮らしが生んだ文化の 1 つ。シンプルな美しさと木の風合いは、北欧モダンスタイルなどの温かみのあるインテリアとの相性が抜群です。

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天井や床のベースカラーが70%、ソファやカーテンなどのメインカラーを25%。アクセントカラーを5%配分することで洗練された空間が生まれます。

インテリアアイテム

手ざわりのよい木の家具や、優しい風合いのファブリックでお部屋に温もりを感じさせる、そんな北欧モダンインテリアが生まれます。

めぐる

木を伐る・育てる

旭川市を中心とした東川町、東神楽町一帯は「家具のまち」。北海道大雪山系の豊かな森に恵まれ、地盤の強い家具生産地として知られています。

一時は北海道産の木材が減少した時代もありましたが、地道な植樹活動や、北海道産の広葉樹を守り活用する「ここの木の家具 北海道プロジェクト」などの取り組みが根付き、今ふたたび地元産の木材の利用が増えているといいます。

美しい木を育てるのに欠かせないのが、健康な森を維持する努力。

旭川地域の林業者や木材業者の方々が枝打ちや下草刈り、間伐などの整備を丁寧に行い、健全に循環し続ける森づくりが行われています。

手をかけて、時をかけて。美しく育てられた森の命を感じながら、上質な家具が作られます。

木を使う

大切に育てられた木材を余すところなく使うのも旭川家具生産地の特徴です。

森の健康を保つために間引きされた木々からは、太くない木材でも作ることができる椅子などの小ぶりの家具やクラフトが作られます。

家具を作る際に出る端材も、地元の工房でインテリアアイテムなどの小木工に活用され、木を削る際に出る木屑は、暖房や木材の乾燥に使うための燃料として活用されています。

木をデザインする

美しい造形とデザイン性の高さに定評のある旭川家具。手づくりにこだわる工房、最先端技術で上質な家具を量産できる大メーカー、木を知り尽くした熟練の職人、気鋭のデザイナーなど、木工にまつわるさまざまな企業やプロが関わり、磨き抜かれた家具が生まれます。

木を植える

木を育て、伐り、大切に使ったら、また植える。旭川や近隣の生産地では、企業のスタッフやその家族の手による植樹が毎年行われます。植えられた若木は長い時間をかけて育ち、その間にまた新たな技術やデザインも育ちます。

そうして世代を超えて作られる旭川家具は、長く寄り添える丈夫さと飽きのこないデザインが魅力。メンテナンスを積極的に請け負うメーカーも多く、丁寧に使い込まれた家具たちは子や孫へと受け継がれていきます。

創る

■旭川家具の歴史 森と人を育んで。120年の家具の都。

明治時代、軍都として拓かれた旭川。多くの兵員とともに建具職人がこの地に移住したことが、家具のまちの事始めです。以来、大雪山系の大自然の恵みに包まれながら、100年を超えて木工家具の技術が蓄積されてきました。

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■40を超える企業が参画する旭川家具工業協同組合

多くの家具の専門家が集まり、森を育てながら長く家具を作り続ける知的循環型社会を目指しています。

さらにコンペティションの開催や、「ASAHIKAWA DESIGN CENTER」からの情報発信などを通じて、旭川家具の魅力を世界に伝えています。

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デザインを追求する姿勢が地域全体に根付いているのも特長です。1990年に始まった「国際家具デザインコンペティション旭川」には世界各国のデザイナーの作品が集結し、新しい感性を競います。また約1,000坪の広大な敷地に、旭川の家具やクラフトが集結する「旭川デザインセンター(ADC)」からは、
1年を通じさまざまな暮らしやインテリアのアイディアが発信され続けています。

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旭川の家具やクラフトが集結する「旭川デザインセンター(ADC)」 ▶︎

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■「国際家具デザインコンペティション旭川(IFDA)」

1990年に始まったのが木製家具デザインの未来を示す「国際家具デザインコンペティション旭川(IFDA)」です。以来3年ごとに開催され、2020年には11回を数えるまでに。世界に知られるコンペ
ティションに成長し、アジアやヨーロッパなど世界のさまざまな国からデザインが出品されます。

また企業やデザイナーの新たな出会いやコラボレーションの機会ともなり、デザインを通じた国際交流を実現しています。

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■「隈研吾&東川町」KAGUデザインコンペ

旭川の隣町である東川町は、旭川家具の重要な生産地。そしてスケールの大きな自然と人、そして文化が調和し、美しい芸術を生み出す「写真の町」として、「東川町国際写真フェスティバル」や「写真甲子園」を開催するエリアとしても有名です。

この町の美しい自然や人々に惚れ込んだ建築家・隈研吾氏の発案から実現したのが、2021年に第1回が開催されたばかりの『「隈研吾&東川町」KAGUデザインコンペ』です。

「KAGU」とは人と世界の間を繋ぐ者の総称で、従来の家具という概念を拡張したものと定義し

  • 未来に羽ばたく若者を育む
  • 豊かな暮らしを育む
  • 地域を育む

の3つの「育む」思いがこのコンペティションのフィロソフィーに、建築と家具が育む新たなライフスタイルの発信を目的に、30歳以下の学生を対象に次世代を担う若者ならではの革新的な発想による従来の家具の概念を拡張した「KAGU」のデザインが募られます。

第1回の最優秀賞受賞作品は、柔らかい布と木のフレームを組み合わせ、屋外の斜面や窪地でも心地よく座れるようにデザインされた伸びやかな椅子。美しい東川町の景色の中にしっくりと馴染むような作品です。

審査にあたって自由な感性とともに重視されたのが「東川町」の風土や地域性を活かす発想です。
東川町は家具と暮らしが密接に結びついた町。「君の椅子」プロジェクト発足の場所としても有名で、町で生まれた赤ちゃんには地元の工房が製作する椅子が贈られ、小学校では木製の学童家具が使われています。中学生は「自分の椅子」を3年間手入れして使うなど、子どもたちの成長にも家具が寄り添います。

そんな東川町の魅力について「隈研吾&東川町」KAGUデザインコンペ実行委員会事務局の岡本さんは「大自然に囲まれたのどかな町と思われがちなんですが、実は東川町は人の出会いや新しい取り組みでいっぱいの、とても"刺激的"な場所なんです」と話します。

木のデザインの第一人者であり、若い世代の育成に大きな愛情を注ぎ続ける隈研吾氏と、自然や産業など地域の魅力を存分に活かしながら新しい挑戦を続ける東川町。

「隈研吾&東川町」KAGUデザインコンペはそんな強力タッグならではの、新しい発想に満ちたコンペティションとして世界の注目を集めています。

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■「織田コレクション」

椅子研究家で東海大学名誉教授の織田憲嗣氏が長い時をかけて収集・研究してきた20世紀の家具と日用品のコレクション。1,350脚の椅子を始め、照明や食器、玩具にいたるまで暮らしにまつわるさまざまな名品が集められたコレクションで、現在は東川町にて公有化されています。

貴重かつ膨大なコレクションは資料的価値も高く、地元のギャラリー等で展示されるほか、家具を学ぶ学生たちの学びに役立てられたり、各国の展覧会にて展示されたりと、多くの注目を集めています。

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<取材協力>

旭川家具工業協同組合(所属する家具メーカーのリンク先が掲載されています)
TEL.0166-48-4135
〒079-8412 北海道旭川市永山2条10丁目1-35

cosine 株式会社 コサイン 青山営業所
TEL. 03-3470-7733
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-5-4 SEIZAN外苑101

「隈研吾&東川町」KAGUデザインコンペ実行委員会事務局(東川町文化交流課)
TEL:0166-82-2111
〒071-1423 北海道上川郡東川町北町1-1-2

<その他、本ページで掲載している旭川のクラフト製品>
※商品は在庫切れ等で購入出来ない場合もございます。

冬号のプレゼント応募はこちらから(ご応募は管理マンションにお住まいの方に限らせていただきます)

締め切り:2022年2月28日まで

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