不快な汗やニオイ、気になる紫外線、夏を快適に過ごすには適切な対策が欠かせません。汗のニオイの正体や効果的な汗対策、紫外線から肌を守るポイントなど、基本的な知識と実践法を紹介します。
取材協力/My Kao くらしラボ
汗のニオイが気になる季節ですが、実はかいた直後の汗は無臭です。人間の皮膚には常在菌が存在し、これらは病原菌の侵入を防ぐ働きをしています。汗をかくと、それが皮膚の汚れや皮脂などと混ざり合い、常在菌がそれらを栄養源として分解・繁殖することでイヤなニオイが発生するのです。
汗には体温調節という大切な役目があります。ニオイの発生メカニズムを正しく理解して、適切にケアしましょう。
汗は体温調節のために必要なので、完全に止めるよりもニオイの原因にさせない対策をすることが大切です。
運動後であればシャワーを浴びるか、できなければ濡れたタオルや手拭い、汗拭きシートで拭きましょう。肌がわずかにしっとりする、濡れたもので拭くのがポイントです。入浴後は水気をよく拭き取り、ゆるい服装でクールダウンしてからパジャマに着替えるのが理想的。就寝中も汗をかくので起床後のシャワーや、汗拭きシートで首や脇の下を重点的に拭くと効果的です。
また、出先で汗をかいたときに着替えられるよう、替えのインナーや靴下などを携帯 しておくのもよいでしょう。
外出先でも汗拭きシートがあればすぐに対処できます。いまはさらさら効果のあるパウダー入りや体感温度を下げる商品も販売されています。汗取りパッドは使い捨てのシールタイプが便利です。
ワイシャツの下に肌着を着ると、汗を吸収しやすくなり蒸れを防いで快適に過ごせます。ウエスト部分に締めつけ感のないワンピースは通気性がよく、汗が乾きやすいため、夏におすすめです。
制服やスーツは着用後のブラッシングでほこりを落とし、衣類用消臭スプレーをかけて風を通します。さらに、定期的に薄めた洗剤液で叩き拭き&水拭きのケアをしておけば、洗濯やクリーニングをするまでの対策になります。
洗えない靴は中敷きを入れたり、消臭スプレーを活用したりします。ひと晩でも風通しのよい場所で乾かすとカビの防止に。2、3足を交代で履くようにすると、湿気もたまりにくいでしょう。
おしゃれ着用洗剤を手洗いする濃度に薄め、タオルを浸して固く絞り、汗を吸った部分を叩くように拭きます。その後、タオルを水で絞って2度ほど水拭きし、風通しのいいところに干しておきましょう。
カバーができる寝具やソファなどのファブリック類は、カバーを洗濯するのがベスト。洗えない場合は消臭スプレーを使いますが、目立たない部分で色落ちやシミにならないか、確認してから使いましょう。
シャツやブラウスなどの首まわりや脇の下などの汚れやすい部分には、酸素系漂白剤(スプレーか液体タイプ)を直接塗って前処理します。
黄ばみが特に気になる衣類は、40°C程度のお湯(お風呂くらいの温度)に酸素系漂白剤(粉末タイプ)を溶かして浸け置きすると、黄ばみ汚れに効果的です。その後は洗濯機で通常通りのコースで洗ってOKです。他の衣類が混ざっても、酸素系漂白剤なら塩素系とは違い、色柄物にも安心です。
汚れ落ちの観点から、洗濯物はため込まず、洗濯機に入れる衣類は7分目程度にして洗剤は適量を守るということも、日頃から心がけたいポイントです。
黄ばみが気になる時は40°C程度のお湯に酸素系漂白剤(粉末タイプ)を溶かし(1Lに5g)、30分から1時間ほど浸け置きします。
肌着を着ると汗や皮脂がシャツやブラウスにしみ込むのを防ぎます。着心地のよい機能性肌着も多数あります。
紫外線から肌を守るためのポイントをピックアップ!
目から入る紫外線は体内で「メラニン色素をつくれ」という信号を発するので、サングラスをかけると色素沈着を抑制するという効果があります。目の疲れも軽減できるため、外出時のアイテムにプラスするといいでしょう。
長袖や帽子などで肌を覆い紫外線をカットします。特につばが広いハットタイプの帽子は顔や首の後ろなど日焼けしやすい部分を守ってくれるのでおすすめ。日傘も有効です。外出時は肌の露出を減らす工夫をしましょう。
紫外線量は夏を100とすると、冬でも50程度あり、1年中紫外線は存在します。年間を通した紫外線対策がシミやしわの防止につながります。
紫外線にはUVB(B波)とUVA(A波)の2種類の紫外線があります。UVBは短時間で肌表面に赤みや水疱などの炎症を引き起こさせる作用があります。UVAは皮膚の奥まで届いて、肌の弾力低下や、しわやたるみなど皮膚の老化に影響します。
SPF(Sun Protection Factor)はUVBを防止する効果があり、SPF50と数字で表記されて数字が大きいほど効果が高くなります。PA(Protection Grade of UVA)はUVAを防止する効果があり、PA+と「+の数」で表記されて+が多いほど効果が高くなります。
日焼け止めはSPFとPAの数値を参考に選びますが、「どこで」「どんな状況で」日焼け止めを使うかをイメージして選ぶことが大切です。
例えば、散歩や買い物など屋外にいる時間が短ければSPF20~30程度、PA++でも大丈夫ですが、海やアウトドア活動など長時間の外出ではSPF50程度、PA+++以上の高い数値のものがおすすめです。海水浴やプールなど水に浸かる場合は耐水性があるもの(ウォータープルーフ)にします。
また、使用感のお好みに合わせてクリーム、ミルク、ジェル、スプレーなどのテクスチュアを選ぶのもいいでしょう。
まずは適量を手に取り、指先で顔に点置きし、指先の腹を使い大きならせんを描くように均一に塗ります。その後、顔の中心から外側に向かって塗り、塗り残しのないように広げます。ミルクやジェルタイプはこの方法が効果的。手のひらで伸ばしてから塗ると手に日焼け止めが残ってしまい、顔に行き渡りにくくなります。
少し硬めのクリームタイプは点置きをより細かくしてていねいに。スプレータイプは全体に吹きかけた後、指先でなじませてムラを防ぎます。
日焼け止めは汗や水で濡れたり、タオルや衣類などで拭いたりこすれたりすることで落ちるため、2〜3時間ごとの塗り直しが大切です。ティッシュなどで肌の汚れや汗を軽く拭き取って塗り直すと効果的です。
使用後は、普段お使いの石けんや洗顔料・全身洗浄料で、丁寧に洗って落としてください。
画像提供)My Kaoくらしラボ