待たされる!反応が悪い!
画面が固まったまま!
などの経験はありませんか?
ご自宅の通信速度がどのくらいかを調べてみましょう
遅い、待たされるなどのストレスを感じるなら、ご自宅のインターネットの通信速度を調べてみましょう。パソコンやスマホでアクセスできる「みんなのネット回線速度」などの測定サービスを利用すれば、どのくらいの速度なのかを手早く確認できます。
通信速度はbps(ビーピーエス/bit per second)という単位で表します。これは1秒間(second=セコンド)に送受信できるデータ量(bit=ビット)を表す単位で、この数値が大きいほど通信速度は速くなります。スマホやテレビなどで高画質なネット動画を快適に見るには、一般的に25Mbpsくらいの通信速度が必要になると言われています。
マンションのインターネットが遅くなる理由はさまざま
通信が遅くなる理由はいろいろありますが、マンションの場合、共用部のインターネットの接続のしくみに問題が存在する可能性があります。
Wi-Fiルーターを買い替えることで通信速度が改善⁉︎
Wi-Fiルーターは、年月を経るごとに性能が劣化するといわれおり、3〜5年を目安に買い替えを検討する必要があります。また、最新のルーターは、より高速で安定した通信規格を採用している場合も多いので、環境の改善も期待できます。
最新の標準的な規格に対応したバッファローのWi-Fi 6対応ルーター「WSR-5400AX6P-BK」(2024年9月現在)
共用部から各戸への回線に違いがあります
マンションのインターネットの設備は、建設当時の通信技術などによって異なりますが、主に4つの方式があります。ポイントは管理室(MDF室=主配線盤室)から各戸までの回線の方式。ここが光回線であれば、快適度は高まります。通信速度には「上り」と「下り」の二つがあり、メールを送ったりSNSに投稿したりするときは「上り」、動画やウエブサイトを見たりするときは「下り」の速度が重要になります。
あなたのマンションはどの方式?
マンションのインターネットの設備は、宅内に設置されている通信機器や壁のコンセント、ケーブルなどの種類で判断することができます。
VDSL方式
特徴
インターネットの通信基地局からマンション共用部の電話用のMDF(主配線盤)までを光ファイバーケーブル(光回線)で、MDFから各戸までを電話線でつなぐ方式です。既存の電話線を使用するため、通信速度は光回線方式より低下します。
最大速度
上り
100Mbps
下り
100Mbps
強みと弱み
既存の電話線を活用できる
通信速度が遅くなる場合がある
落雷の影響を受けやすい
近々サービス適用終了の可能性がある
CATV方式
特徴
光回線やケーブルテレビ(CATV)の回線を利用してインターネットに接続する方式です。共用部から各戸まではTVケーブル(同軸ケーブル)で接続します。
最大速度
上り
10Mbps
下り
320Mbps
強みと弱み
既存の同軸ケーブルを活用できる
通信速度が制限される場合がある。
特にデータをアップロード等する場合(上りの速度)に遅くなる傾向がある
落雷の影響を受けやすい
シェアードLAN方式
特徴
共用部から各戸までをLANケーブルでつなぐ方式です。各戸の部屋の壁などにあるLANの差し込み口にWi-Fiルーターをつなげば、インターネットに接続することが可能です。
最大速度
上り
1Gbps
下り
1Gbps
(最大1Gbpsデータ量を複数の住戸で分け合う)
強みと弱み
VDSL方式やCATV方式より速い
Wi-Fiルーターが付属されている場合がある
シェア型なので混雑時(他住戸の使用状況の影響で)に通信速度が遅くなる場合がある
将来的に10Gbpsに変更できない場合がある
落雷の影響を受けやすい
光回線方式
特徴
インターネットの通信基地局からマンションの各戸までの配線をすべて光回線で接続する方式です。マンション共用部の回線に混雑が発生しないので、常に一定レベルの通信速度を確保することができます。
最大速度
上り
1Gbps又は10Gbps
下り
1Gbps又は10Gbps
(最大1Gbps又は10Gbpsのデータ量を一つの住戸で専有できる)
*10Gbpsのサービスが提供されていない地域もあります
強みと弱み
通信速度が高速で安定している
月々の通信料金が下がる場合がある
10Gbpsのサービスに変更することができる場合がある
落雷の影響を受けない
※各方式が混在する場合があります。
回線事業者やプロバイダーとの契約は?
インターネットを利用するには、回線事業者とプロバイダーとの契約が必要です。前者はインターネットの回線設備を提供し、後者はインターネットへの接続やメールなどのサービスを提供します。それぞれと単独で契約する方法と、「光コラボ」のようにセットで契約する方法があります。
回線事業者
光ファイバーなどの回線を提供し、インターネットに接続するための物理的な設備を整えます。
具体例
NTT東日本・西日本(回線提供のみ)、KDDI・オプテージ・QTnet・JCOM・つなぐネット・ファイバービット等(回線とプロバイダーをセットで提供)
プロバイダー
回線事業者から提供される回線設備を使って、ユーザーとインターネットをつなぎ、各種のサービスを提供します。
具体例
OCN、BIGLOBE(ビッグローブ)、So-net(ソネット)、@nifty(アットニフティ)、Yahoo!BB(ヤフービービー)、ASAHIネット、NTTメディアサプライなど
光コラボ
NTTの光回線を利用し、各プロバイダー事業者等が光回線とプロバイダーサービスをセットで提供します。
具体例
ソフトバンク光、ドコモ光、Rakuten光、So-net光、@nifty光、BIGLOBE光など
通信速度の大幅な改善が見込めます
お住まいのマンションの共用部がVDSL方式やCATV方式、シェアードLAN方式だった場合は、新たに光回線方式に置き替えることで大幅な通信速度の改善が見込めます。
月々の通信料金が下がる可能性があります
現在、各戸で個別に契約されている場合には、マンションの管理組合で一括契約することによって、月々の通信料金が安くなる可能性があります。
設備の省スペース化と安定性が高まります
管理室の設備が光回線を分岐するための装置のみで済むため、省スペース化が図れると同時に、電気やメタル線(銅線)を使用しないぶん落雷などの影響も受けにくく、通信の安定性も高まります。
マンションの資産価値が高まる
通信環境を最新の設備にグレードアップすることで、マンションの資産価値の維持・向上を実現することができます。
管理組合の理事会が主導で行います
光回線方式の導入は、住民アンケート、構造調査、工事内容の確認などを行なった上で、住民への説明、総会を経てようやく実現の運びとなります。そのため、管理組合の理事会によるイニシアチブが大切になります。
光回線導入を実現した築30年弱のマンションの実例
〈当該マンション管理会社の担当者へのインタビュー〉
静岡県三島市にある築30年弱の小規模マンションでは、管理組合主導のもと各戸までの光回線の導入を実現しました。理事会による事前の住民アンケートでは、全20戸のうち18戸のみなさんが日ごろからインターネットを利用。スマホやパソコンでネット検索やSNSをご利用されていました。光回線を導入し、全戸一括型の契約を行ったことで、一戸あたりの月額利用料は数千円単位で下がりました。この「月額料金が安くなる」という点が、導入を実現できた一番のポイントになったようです。
こちらの管理組合の理事は3名で、一年ごとの持ち回り制です。導入の検討段階において、住民の中からは「ネットを使っていないので、一括契約で月額料金がかかるようになっては困る」「現在利用している通信会社の契約を解約すると違約金がかかる」などの反対の声もありました。そうした意見に対しては「通信環境の改善はマンションの資産価値を高めることになる」「月額料金が大幅に下がるので、解約のためのコストを吸収できる」などの説明を、理事の方々が、丁寧に行われたようです。
導入後は通信速度も安定し、住民の皆さんは快適にインターネットを利用されています。
光回線の導入にあたって気になるポイントを回線事業者のご担当の方にお聞きしました。
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