マンションの資産価値を維持しつつ、将来に向けて価値を高めていくために必要な「修繕積立金」。
今回は、その使いみちや資金計画、積立額の目安などについてご紹介します。
10年先、20年先、30年先など、長期にわたる建物や設備の維持修繕・改良などのために、毎月、積み立てるのが「修繕積立金」。12~15年周期を目途に行われるマンションの大規模修繕費など、積立金の使いみちは多岐に渡ります。以下の項目は、その中でも特に大切なものになります。
修繕・更新
設備
機械式駐車場の部品交換・更新
建物
玄関ドアの交換
改良(機能・性能向上)・新設・増設
バリアフリー化
エントランスドアのオートロック化
バリアフリー化
エントランスドアのオートロック化
定期的に、時代のニーズに合わせた設備に
改良していくことが資産価値の向上に
つながります
修繕や工事にかかる費用を、将来に向けてどのように積み立てていくかを決めるのが資金計画です。
下のグラフは70㎡の住戸(延べ床面積5,000㎡未満・20階未満)をモデルとしています。
月々の積立額を23,450円/月(1㎡当たり335円/月)とし、毎月同額を積み立てていくのが
「均等積立方式」(赤い線)です。
一方、一般的に分譲時に計画されているものは、当初、金額を低く設定し、段階的に増額していく
「段階増額積立方式」(青い線)になります。
さらに、増額を行わず、当初の額を継続したものが黒い線となります。
この場合、1回目の大規模修繕の時点で、必要な修繕工事費に対して積立金が不足することがわかります。
資金不足にならないために、長期にわたる計画が大切です。
〈資金計画のイメージ〉
※1.段階値上案/基金47万円/戸、~5年 100円/㎡、6年~ 200円/㎡、11年~ 300円/㎡、16年~ 450円/㎡で設定。
*上のグラフは国土交通省令和3年9月改訂「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を基に作成した
イメージです。
〈資金計画のイメージ〉
※1.段階値上案/基金47万円/戸、~5年 100円/㎡、6年~ 200円/㎡、11年~ 300円/㎡、16年~ 450円/㎡で設定。
*上のグラフは国土交通省令和3年9月改訂「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を基に作成したイメージです。
適切に修繕工事を行うためには計画的に修繕積立金を確保することが大切です
以下は、国土交通省が示す「階数・延べ床面積で見た修繕積立金の平均額の目安」。実際に作成された長期修繕計画を幅広く収集し、その事例の平均値を示したものです。仮に下の表の中の赤いアミがかかっているような住戸の場合、月々の修繕積立金の平均値は17,640円(70㎡の場合)となります。機械式駐車場がある場合は、さらに2,503円(3段(ピット2段)昇降式の場合)(※2)が加算されます。
*上の表は、国土交通省令和3年9月改訂「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を基に作成したものです。実際の金額は、仕様・状況などにより異なります。
ご自身のマンションでも積立金の
シミュレーションをしてみましょう
※2.機械式駐車場の加算額は、3段(ピット2段)昇降式の機械式駐車場が30台分あり、住戸の専有床面積が70㎡、マンション全体の専有床面積(マンション共用部は含まれません)の合計が4,900㎡(負担割合が70/4900)の場合を想定。