2023/04/06

旅・レジャー

親子で行きたい!サステナブルな社会の体験型施設「クルックフィールズ」【後編】

インテリアも無駄なくおしゃれ! 個性あふれる施設を解説

音楽プロデューサーの小林武史さんが、2019年11月にオープンした「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」。約9万坪の広い敷地内に、太陽光発電を備え、植物や微生物を活用した水質浄化システムがあり、農業や養鶏、酪農が営まれ、動物の排泄物や生ごみは堆肥化するなど、環境や資源に配慮した自然共生社会をめざす取り組みがなされています。また、クルックフィールズの各施設の建築には古材などを再利用。それでいながら、とてもおしゃれで暮らしやすそうです。今回はそんな各施設の素敵なインテリアをご紹介します。

※取材写真は2022年7月時点

タイニーハウス6棟は廃材を生かして個性豊か

クルックフィールズの宿泊施設「タイニーハウスビレッジ」は全部で6棟。1棟1棟、外観も違えば内装も個性的。そこで暮らす人、その過ごし方をイメージして作られているそうです。
前編で紹介した「Cattle カトル(定員4名)」と「Nipper ニッパー(定員2名)」に加え、子どもたちの秘密基地「Silo(サイロ/定員2名)」、丘の上の老夫婦の週末小屋「Vill(ビル/定員4名)」、農場から見える山の上にある小屋「Shack(シャック/定員4名)」、世界を旅してきたファミリーが辿り着いた場所「Hobo(ホーボー/定員4名)」に泊まることができます。これらの建材の一部には、取り壊し予定だった牛舎の廃材を再利用しています。

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タイニーハウス「Hobo」。天井照明の星型の枠組みも廃材を利用して作られている

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タイニーハウス「Hobo」。天井照明の星型の枠組みも廃材を利用して作られている

タイニーハウスビレッジには、宿泊者専用の「センターハウス」が隣接しており、トイレやシャワー施設を備えているほか、本を読みながらくつろいだり、バーカウンターでお酒を楽しんだりすることもできます。そこで使われているソファやチェアはアンティークのものばかり。そのためずっと昔からここにあって、人々に愛用されてきたようなあたたかみを感じます。
「センターハウスはゆっくりした時の流れを感じていただきたいと思い、新しいものではなく、人の手に触れて時を経てきたものを意識して選んで置いています。夜にはレコードをかけて音楽を楽しめるようにしているのですが、そのアナログ感も大切にしています」(クルックフィールズのスタッフ・新井洸真さん)

ところが、意外にも壁は新しい木材を使っているのだとか。その理由は……。

「数年前に東北に上陸した台風で浸水被害にあった木材所さんから、水に浸かってシミができて見栄えが悪くなったため廃棄するしかなくなってしまったという木材をいただいて使っているんです。だから新しい木材ですが、ちょっと古く見えると思います」(新井さん)

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宿泊者たちの憩いの場として機能するセンターハウス

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宿泊者たちの憩いの場として機能するセンターハウス

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こだわりのおいしさを堪能できるベーカリー、ミルクスタンド、ダイニングは、一見、それぞれ別の建物のようですが、実は内部でつながるひとつの建物。それぞれのスタッフが行き来しやすい動線になっています。ここは卵、牛乳、野菜など場内で採れたさまざまな食材が集まる、食の中心地。そこで建築素材も木材や鉄、石といった、さまざまなものを組み合わせているそうです。
そんなダイニングのカウンターに置かれたチェアは、センターハウスと同様アンティーク。なんと製図用の椅子なのだそう。床には取り壊された牛舎の廃材を再利用しています。 「牛舎の柱だったものを割いてもらって床板にして、大工さんに教えてもらいながら僕らスタッフで張りました。よく見ると板の色が濃いものと薄いものがあります。四角い柱だったので、割いてみると中は新材のように薄い色をしていたんです。濃い色の板は外側です」(新井さん)
廃材ならではの色の違い。その色ムラも、スタッフの手で張ったというエピソードも、いい味わいとなって床にしみこんでいっているようです。

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ダイニングでは季節の新鮮な味を楽しめる。薪窯で焼き上げるピザも人気メニューのひとつ

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ダイニングでは季節の新鮮な味を楽しめる。薪窯で焼き上げるピザも人気メニューのひとつ

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昨年11月には「創る暮らしを体感するVilla」として、宿泊施設「cocoon(コクーン)」が敷地の高台にオープン。繭の形をした6棟の小さい客室と1棟の少し大きい客室が特徴で、付近にはレストランやフィンランド式サウナの小屋も併設しています。

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チェックインが19時以降のショートステイプランを始め、さまざまなタイプの宿泊プランが用意されている

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チェックインが19時以降のショートステイプランを始め、さまざまなタイプの宿泊プランが用意されている

さらに、2月16日にオープンした地中図書館は、外から見るとどこにあるかわかりません。なんと半分が地中に埋まり、天井にあたる部分には草木が生い茂っているのです。もともと谷のようになっていた地形が生かされていて、入り口から洞穴の中に入るようなワクワク感でいっぱいです。
内部は階段状になった開放的な読書スペースや、1人でひっそりとこもって思索にふけることができるスペースなど、そのときの気分や読書スタイルによって使い分けることを想定しているそう。天井に開いた小さな穴がピンホールカメラのようになっていて、デスクに外の景色が映るという幻想的な部屋もありました。

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地中図書館で出会える蔵書は、自然や農的な暮らしに関連する本を中心に数千冊に及ぶ

※地中図書館の利用はメンバーのみ、事前予約制

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地中図書館で出会える蔵書は、自然や農的な暮らしに関連する本を中心に数千冊に及ぶ

※地中図書館の利用はメンバーのみ、事前予約制

クルックフィールズは随所に暮らしを彩るアイデアや遊び心がたくさん。各施設のインテリアを見て回るのも楽しいですよ!

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新井洸真(あらい・こうま)
KURKKU FIELDS 施設運営

プロフィール

大学で教員免許を取得後、大学院でアウトドアレジャーを専門に学ぶ。
2017年、株式会社 KURKKU入社。2018年、創業メンバーとして参画。タイニーハウスビレッジでの宿泊体験事業をはじめ、施設全体の運営を担う。
木更津の地域住民とのコミュニティ形成にも注力している。

「KURKKU FIELDS」

住所 〒292-0812 千葉県木更津市矢那2503
営業時間 10:00 〜 17:00
定休日 火・水曜(祝日は営業)
入場料(保全料) ビジター 小学生400円、中学生以上800円
メンバー 小学生100円、中学生以上300円
メンバーシップ年会費
一般   小学生500円、中学生以上1,000円
千葉県民 小学生300円、中学生以上500円
※未就学児無料/メンバーシップ制度あり
※地中図書館の利用はメンバーのみ

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新井洸真(あらい・こうま)
KURKKU FIELDS 施設運営

プロフィール

大学で教員免許を取得後、大学院でアウトドアレジャーを専門に学ぶ。
2017年、株式会社 KURKKU入社。2018年、創業メンバーとして参画。タイニーハウスビレッジでの宿泊体験事業をはじめ、施設全体の運営を担う。
木更津の地域住民とのコミュニティ形成にも注力している。

「KURKKU FIELDS」

住所 〒292-0812
千葉県木更津市矢那2503
営業時間 10:00 〜 17:00
定休日 火・水曜(祝日は営業)
入場料
(保全料)
ビジター
小学生400円、
中学生以上800円
メンバー
小学生100円、
中学生以上300円
メンバーシップ年会費
一般
小学生500円、
中学生以上1,000円
千葉県民
小学生300円、
中学生以上500円
※未就学児無料/
メンバーシップ制度あり

※地中図書館の利用は
メンバーのみ

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