2022/05/25

ライフスタイル

“読書空間づくりの達人”に聞く、毎日をすてきにする「本との出会い」【前編】

センスの良いインテリアも参考にしたい!ホテル「箱根本箱」で、“感度を磨く仕掛け”を体験!

すてき度

SHARE

facebook twitter line

センスの良いインテリアも参考にしたい!ホテル「箱根本箱」で、“感度を磨く仕掛け”を体験!

センスの良いインテリアも参考にしたい!ホテル「箱根本箱」で、“感度を磨く仕掛け”を体験!

ブックホテル「箱根本箱」をご存じですか。ラグジュアリーな館内に新刊と古書、洋書あわせて約1万2000冊を揃え、滞在中は自由に読書を楽しみ、気に入れば購⼊することもできる、「本との出会い」をテーマにしたホテルです。この施設を手掛けたのは、出版取次会社の日本出版販売株式会社の新会社である「株式会社ひらく」。そのプランニングディレクターの染谷拓郎さんに、箱根本箱に込めた思いや本の選び方について伺いました。

――本を読みたいと思っても、忙しくてなかなか時間が取れません。染谷さんは仕事でたくさん本を読んでいると思いますが、仕事以外では1日どれくらい読書をしていますか。

そう考えるとあまり読めてないですね。子どもの寝かしつけのときに一緒に寝てしまわずになんとか起きられたら、そのあとは読書タイムにしています。また、電車に乗っているときにはスマートフォンを開かずに本を読むようにしています。時間は意識しないとなかなか取れないですよね。だからこそ箱根本箱のような読書の時間をご提供する場所がご支持いただいているのだと思います。

ブックホテル「箱根本箱」プランニングディレクター染谷拓郎さん

ブックホテル「箱根本箱」プランニングディレクター染谷拓郎さん

――本を読みたいと思っても、忙しくてなかなか時間が取れません。染谷さんは仕事でたくさん本を読んでいると思いますが、仕事以外では1日どれくらい読書をしていますか。

そう考えるとあまり読めてないですね。子どもの寝かしつけのときに一緒に寝てしまわずになんとか起きられたら、そのあとは読書タイムにしています。また、電車に乗っているときにはスマートフォンを開かずに本を読むようにしています。時間は意識しないとなかなか取れないですよね。だからこそ箱根本箱のような読書の時間をご提供する場所がご支持いただいているのだと思います。

――そのユニークなホテル、箱根本箱はどのような経緯でつくられたのでしょうか。

ご存じのように、近年本の売り上げがどんどん下がり、本屋さんの閉店が続いています。そうすると、僕が所属している、出版社から本を仕入れて本屋さんに卸す会社も存続できなくなってしまうかもしれません。そこで、新しい事業として、読書の時間をご提供していこうというミッションがありました。箱根本箱は、「何の本を読んでもらうか」ではなく「どんなふうに本を読んでもらうか」を考え、滞在することが新しい読書の体験となるようデザインしました。

――では、ただ本をたくさん並べているホテルではないということですか。

そうですね。箱根本箱は箱根湯本から車で30分ほどかかる強羅にあります。そこまで来ていただき、宿泊料金をいただくわけですから、どのような空間の中でどのように本を読んでいただくことが心地よく感じるかを強く意識しました。

ブックホテル「箱根本箱」プランニングディレクター染谷拓郎さん

――箱根本箱ではどのような本が読めますか。

ふだんから本を読む人とまったく読まない人とでは本の選び方やきっかけが違います。そこで、軽く読みやすいものから専門的な分野までグラデーションのある選書になっています。また、「あの人の本箱」という形で、著名人の方に選書していただいた本箱を館内のさまざまな場所に設置しています。すでに50人以上の方に選んでいただきました。その人に対する関心から、「××さんはこんな本を読むんだ」と本への興味、関心につながるのではないかと思います。こうしたトリガーのようなものを随所に用意しています。 箱根本箱に置いてある本は、一般の本屋さんにも置いてある本です。ただ、この施設に来ていただくと、お客様の感度が高くなり、潜在的に読みたかった本や、ふだんは手に取らないけれども気になる本がみつけやすくなっているようです。

ブックホテル「箱根本箱」プランニングディレクター染谷拓郎さん

――箱根本箱ではどのような本が読めますか。

ふだんから本を読む人とまったく読まない人とでは本の選び方やきっかけが違います。そこで、軽く読みやすいものから専門的な分野までグラデーションのある選書になっています。また、「あの人の本箱」という形で、著名人の方に選書していただいた本箱を館内のさまざまな場所に設置しています。すでに50人以上の方に選んでいただきました。その人に対する関心から、「××さんはこんな本を読むんだ」と本への興味、関心につながるのではないかと思います。こうしたトリガーのようなものを随所に用意しています。 箱根本箱に置いてある本は、一般の本屋さんにも置いてある本です。ただ、この施設に来ていただくと、お客様の感度が高くなり、潜在的に読みたかった本や、ふだんは手に取らないけれども気になる本がみつけやすくなっているようです。

――ふだんあまり本を読まないという人は、どんな本を読んだらいいでしょうか。

食のエッセイなど暮らし系のエッセイは読みやすいと思います。実際に、箱根本箱でも食のエッセイは多く読まれています。他には、「世界で一番美しい海のいきもの図鑑」(創元社)や「世界で一番美しい鳥図鑑」(誠文堂新光社)といった、大型のビジュアル本が読まれやすい傾向があります。

――ホテルの入り口を抜けると吹き抜けの空間に書棚が広がるエントランスの様子は、まさに「1万2000冊の本に囲まれる」ことを実感させてくれます。全室に露天風呂が付いた客室も、それぞれ異なるインテリアが凝らされていて、コーディネートの参考にしたいものばかりです。
宿泊客のみなさんも、この贅沢な空間を存分に楽しまれている印象を受けました。

そうですね。チェックイン時刻に入って本を読んで、食事をして、温泉に入って、また本を読んで⋯⋯。外に出る方はほとんどいないようです。 箱根本箱は非日常として楽しんでいただくのではなく、日常と地続きと捉えて、日々の暮らしに取り入れられるものがないかという目線で楽しんでいただけると嬉しいですね。本がたくさんあって、ゆったり座れるソファがあって、ちょっとこもれるスペースがあって、ハーブティがあって、日常でも実践できるようなアイデアやヒントがいっぱい詰まっているショーケースのような場所。そのアイデアを持ち帰っていただければ、暮らしが以前よりちょっと良くなるのではないかと思います。

hakone_honbako_profile

染谷拓郎(そめや・たくろう)

日本出版販売株式会社プロデュース事業チーム プランニングディレクター

プロフィール
ブックホテル「箱根本箱」では、事業主である日販グループの株式会社ASHIKARI取締役兼ディレクターとして携わる。2022年4月に「生活者起点で場を創り、豊かな時間を提供する」事業を推進する「株式会社ひらく」代表に就任。入場料制の書店「文喫」の全国展開やイベントの企画出演など、人が本を手に取る機会や場所づくりに努めている。

箱根本箱 文喫

「すてきテラス」リニューアル記念 読者プレゼント

「すてきテラス」リニューアル記念 読者プレゼント

■プレゼント内容■

「すてきテラス」のリニューアルを記念して、ブックホテル「箱根本箱」の宿泊券
(露天風呂付客室 1泊2食付き 2名様)を1名様にプレゼント!

プレゼントの受付は終了いたしました。
ご応募いただき、誠にありがとうございました。

プレゼントの受付は
終了いたしました。
ご応募いただき、
誠にありがとうございました。

中編を読む

後編を読む

関連記事

ブックホテル「箱根本箱」をご存じですか 「箱根本箱」は「本との出会い」をテーマにしたホテル ブックホテル「箱根本箱」の宿泊券プレゼント!
Scroll