2022/08/03

ライフスタイル

“読書空間づくりの達人”に聞く、毎日をすてきにする「本との出会い」【後編】

読書で“親子の時間”をもっと楽しく!読み聞かせにもぴったり おすすめの絵本8選!

読書に費やす時間は “親子のコミュニケーション”に◎

読書に費やす時間は “親子のコミュニケーション”に◎

約1万2000冊の本を自由に読めるブックホテル「箱根本箱」や、東京・六本木と福岡・天神にある入場料制の書店「文喫」のプランニングを手掛けたのが、出版取次会社の日本出版販売株式会社の新会社である「株式会社ひらく」。そのプランニングディレクターの染谷拓郎さんは、4歳のお子さんを持つ父親でもあります。前編・中編に続く今回は「親と子の本の楽しみ方」について伺いました。夏休みの読み聞かせにもぴったりな、染谷さんがセレクトした年齢別・おすすめの絵本もぜひチェックしてみてください。

――「子どものために」と一生懸命読み聞かせをしている親は多いと思います。読み聞かせは必要だと思いますか。

僕も4歳の子どもがいて毎日のように読み聞かせをしています。それは、親と子が向かい合って話すよりも、何か同じものをみつめてそれについて一緒に考えたほうが、コミュニケーションを取りやすいことがあるように思うからです。公園で「この花きれいだね」と話すのと同じように、一緒に絵本を読むと話がしやすいと感じます。

――コミュニケーションの一環として読み聞かせをしているのですね。読み聞かせをするときに気をつけていることはありますか。

特にきまりはなく、寝る前に「読みたい本があったら持ってきて」と言って読んでいます。1日何冊ということも決めていません。ただ、夜ゆっくり読んだりそのまま眠ったりするときは物語性がある本、昼間は図鑑などと、なんとなく分けているくらいでしょうか。

ブックホテル「箱根本箱」プランニングディレクター染谷拓郎さんインタビュー

――コミュニケーションの一環として読み聞かせをしているのですね。読み聞かせをするときに気をつけていることはありますか。

特にきまりはなく、寝る前に「読みたい本があったら持ってきて」と言って読んでいます。1日何冊ということも決めていません。ただ、夜ゆっくり読んだりそのまま眠ったりするときは物語性がある本、昼間は図鑑などと、なんとなく分けているくらいでしょうか。

ブックホテル「箱根本箱」プランニングディレクター染谷拓郎さん

――お子さんが好きな本と親が読ませたい本が噛み合わないとお悩みの親も多いようです。染谷家ではいかがですか。

本屋さんではなんでもかんでも買ってあげることはできないので、どうしても親のフィルターをかけざるをえないですね。我が家は妻が古書店出身ということもあり、海外のクラシックな絵本が多くなっています。ただ、図書館では「好きなものを借りていいよ」と言っていて、「僕の趣味とは違うな」「これはまだ読めないだろうな」と思うものでも止めないようにしています。時期によって選ぶものが変わり、「今は海の生き物に興味があるんだな」などと気づくことができておもしろいですよ。

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児童書系出版社の入り口をかざるライブラリーウォール

――ご自宅には本がたくさんありそうですね。

いえ、それほどありません。こんまり(片付けコンサルタントの近藤麻理恵)さんの片付けの本を読んでから、幅約1メートル20センチ、高さ7段くらいの本棚2つ分に収まる量だけと決めて、定期的に入れ替えることにしています。本は自分の興味関心が可視化されたもの。今興味ある本、今手に取りたい本だけしか置いていません。電子書籍や図書館なども利用しますが「この作者のものは手元に置きたい」「装丁が美しい」「家に置きたい」というものは本屋さんで買っています。

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――デジタルコンテンツを始めとした多くのコンテンツがあふれていますが、これからの本との付き合い方についてどのように考えていますか。

他のさまざまなコンテンツと比べて「役に立つから」というハンディキャップ付きで本が優位に立つのではなく、フラットに「本を読むのっておもしろいよね」と思えるメディアにしたいですね。箱根本箱に限らず、今後も充実した読書時間を過ごしていただける事業を展開していきたいと思っています。長い歴史の中で積み重ねがあることが本の強み。100年前、200年前の本も読むことができます。新しいコンテンツにはないその強みを生かしていけたらと思っています。

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――デジタルコンテンツを始めとした多くのコンテンツがあふれていますが、これからの本との付き合い方についてどのように考えていますか。

他のさまざまなコンテンツと比べて「役に立つから」というハンディキャップ付きで本が優位に立つのではなく、フラットに「本を読むのっておもしろいよね」と思えるメディアにしたいですね。箱根本箱に限らず、今後も充実した読書時間を過ごしていただける事業を展開していきたいと思っています。長い歴史の中で積み重ねがあることが本の強み。100年前、200年前の本も読むことができます。新しいコンテンツにはないその強みを生かしていけたらと思っています。

夏休みの読み聞かせにもぴったり!染谷さんおすすめの「年齢別・絵本8選」

親子の時間が増えるこの時期に、子どもたちの世界を広げる絵本を手に取ってみませんか?
たくさんの絵本に触れてきた染谷さんに、大人も楽しめる8冊を、年齢別にセレクトしていただきました。
ママ・パパはもちろん、プレママ・プレパパも必見です!
(※価格は税込み/掲載情報は2022年4月時点のものです)

夏休みの読み聞かせにもぴったり!染谷さんおすすめの「年齢別・絵本8選」

親子の時間が増えるこの時期に、子どもたちの世界を広げる絵本を手に取ってみませんか?
たくさんの絵本に触れてきた染谷さんに、大人も楽しめる8冊を、年齢別にセレクトしていただきました。
ママ・パパはもちろん、プレママ・プレパパも必見です!
(※価格は税込み/掲載情報は2022年4月時点のものです)

0~2歳

2022-august-book03_book01

「ひよこはにげます」

作:五味太郎
福音館書店刊
990円

2022-august-book03_book02

「ぼくらのまちにおいでよ」

作:大桃洋祐
小学館刊
1,650円

3~5歳

2022-august-book03_book03

「ぼくのおじいちゃん」

作:カタリーナ・ソブラル/訳:松浦弥太郎
アノニマスタジオ
1,650円

2022-august-book03_book04

「ここは」

著:最果タヒ/絵:及川賢治(100%ORANGE)
河出書房新社刊
1,430円

6~9歳

2022-august-book03_book05

「どうして、わたしはわたしなの?」

著:トミ・ウンゲラー/訳:アトランさやか
現代書舘刊
2,750円

2022-august-book03_book06

「モーゼスおばあさんの四季」
*書籍名で検索をお願いします

絵・文:アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス
編・詩:W.ニコラ-リサ/訳:加藤恭子・和田敦子
BL出版刊
1,650円

10~12歳

2022-august-book03_book07

「もうひとつの場所」

著:清川あさみ/監修:今泉忠明/
デザイン:菊地敦己
リトルモア刊
1,760円

2022-august-book03_book08

「フジモトマサル傑作集」

著:フジモトマサル/装幀・監修:名久井直子
青幻舎刊
2,970円

0~2歳

2022-august-book03_book01

「ひよこはにげます」

作:五味太郎
福音館書店刊
990円

2022-august-book03_book02

「ぼくらのまちにおいでよ」

作:大桃洋祐
小学館刊
1,650円

3~5歳

2022-august-book03_book03

「ぼくのおじいちゃん」

作:カタリーナ・ソブラル/訳:松浦弥太郎
アノニマスタジオ
1,650円

2022-august-book03_book04

「ここは」

著:最果タヒ/絵:及川賢治(100%ORANGE)
河出書房新社刊
1,430円

6~9歳

2022-august-book03_book05

「どうして、わたしはわたしなの?」

著:トミ・ウンゲラー/訳:アトランさやか
現代書舘刊
2,750円

2022-august-book03_book06

「モーゼスおばあさんの四季」
*書籍名で検索をお願いします

絵・文:アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス
編・詩:W.ニコラ-リサ/訳:加藤恭子・和田敦子
BL出版刊
1,650円

10~12歳

2022-august-book03_book07

「もうひとつの場所」

著:清川あさみ/監修:今泉忠明/
デザイン:菊地敦己
リトルモア刊
1,760円

2022-august-book03_book08

「フジモトマサル傑作集」

著:フジモトマサル/装幀・監修:名久井直子
青幻舎刊
2,970円

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染谷拓郎(そめや・たくろう)

日本出版販売株式会社プロデュース事業チーム プランニングディレクター

プロフィール
ブックホテル「箱根本箱」では、事業主である日販グループの株式会社ASHIKARI取締役兼ディレクターとして携わる。2022年4月に「生活者起点で場を創り、豊かな時間を提供する」事業を推進する「株式会社ひらく」代表に就任。入場料制の書店「文喫」の全国展開やイベントの企画出演など、人が本を手に取る機会や場所づくりに努めている。

箱根本箱 文喫

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