マンションの資産価値を考える
「“より良いユトリシアにするために”~管理組合のチャレンジいよいよ本格始動~」
今秋、最終番街が竣工し、いよいよ管理組合の自主的な運営が本格的に始まります。居住者の気持ちがひとつになって実現した高圧一括受電サービス導入を中心に、資産価値向上にかけるお気持ちを理事長の田中さんにおうかがいしました。
ユトリシアという街の完成を目前に控えて
約66,000㎡の広大な敷地には、ファミリー菜園やハーブ庭園を有する自然豊かな中庭や、子どもがのびのびと遊べる広場があり、居住者同士が交流を深めています。また、ゲストルームや体育館などの共用施設も充実。こうした居住者の快適な暮らしのかげでは管理組合理事会ほか、下部組織の各種専門委員会が、マンションが抱える様々な課題に取り組んでいます。
「新築時、マンション事業者により予め設定された体制や方針に則って、管理組合運営が行われてきました。壱番街の竣工から6年経った現在、管理組合独自の路線で知恵を絞り、より良い街にするための大幅な改善を進めています」と田中さん。
良好なコミュニティの醸成
同マンションでは、コミュニティ形成を促進するために居住者の自主運営によるハッピークラブ(下図参照)が活動しています。
2014年には「都市づくり、地域づくり、コミュニティづくり」のカテゴリーで【グッドデザイン賞】を受賞し、注目されました。
「ハッピークラブは、当初マンション事業者によりスタートした組織でしたが、その後、居住者主体で活動し、6年継続しているという実績が評価されました。
様々なイベントがある中、クライマックスは夏祭りで、敷地のちょうど中央にあるユトリシアプラザで開催し、多くの居住者が集まります。圧倒的に子育て世代が多いことから、どうしても子ども中心のイベントが多くなってしまいますが、これからは高齢の方を含め、多世代の方が参加できるイベントを考える必要があると思っています。新しいことを考え実行するのはエネルギーが要るので、どうしてもマンネリ化してしまいがちですが、そこを打破して新しい発想でプランをたてていきたいです」と田中さん。
日頃から良好なコミュニティが形成されていることで、管理組合が重要な決定をする際に、居住者の理解が得やすい環境が整います。ユトリシアでは昨年8月の臨時総会で高圧一括受電サービス(下図参照)の導入が決まり、今年2月には全戸1,181戸の同意取得を達成することができました。
“三位一体”の努力で
高圧一括受電サービス導入を実現
ユトリシアは高圧一括受電サービスを既存マンションと新築マンションに同時に導入した非常に稀なケース。同じ敷地内で複数の電力会社と契約することは認められていません。高圧一括受電のメリットをできるだけ早く受けるためには、五番街竣工前に壱番街~四番街にお住まいの1,181戸の同意をとる必要がありました。しかも、五番街の電気工事にかかる期間の関係から、厳しいタイムリミットが設定され、理事会、長谷工アネシス、長谷工コミュニティの三者が全戸同意取得に向け一致団結して動き出しました。
「高圧一括受電を考え始めたのは2年前。世の中にも導入事例が増えていたので、強い関心がありました。サービスの提供会社として、長谷工アネシスを選んだのは、管理会社が長谷工コミュニティだったのでタッグを組めば力を発揮できると思ったからです。実際、全戸同意の過程で残り10世帯になったころからは、地道な努力による長谷工パワーを発揮していただきました」と田中さんは振り返ります。
「理事の皆さまが普段から、プライベートの時間を惜しまず活動されていることをお住まいの方々が認識し、信頼を寄せていること、そして日頃の管理組合の活動でコミュニティがしっかり形成されていることが短期間での全戸同意を実現しました」とサービス担当者の重乃は実感しています。「当マンションでは共用部の電気料金削減タイプを選びました。共用部の電気代はこれまで年間約2,500万円かかっているので、約30%削減できるだけでも大きなコストカットにつながります。管理費の支出を抑え、その分、新規事業や修繕積立金に充当するなど将来的な可能性が広がります」と田中さんは大きな期待を寄せています。
資産価値向上を目指す
戦略的取組み
資産価値の課題に対しては管理組合と管理会社との連携も重要であると田中さんは考えています。「建物維持委員会(上図参照)とともに、修繕計画については石井担当と協力し、先を読みながら早め早めに進めていこうと思っています。また、管理組合事業における一つひとつの契約内容の見直しと改定のため現状把握や市場調査、関連各所との交渉も開始しています。
“より良いユトリシアにするために”建物の資産価値維持・向上と、そこに暮らす居住者の快適な暮らしの実現を目指した、様々な取り組みを行っていきたいと思います」と、ユトリシアの将来を見据え、語られました。