マンションの資産価値を考える
「初めての大規模修繕工事を満足いくものに」

マンションにおいて(おおむ)ね12年ごとに実施される大規模修繕工事ですが、初めての場合は計画の仕方や費用等わからないことが多く、不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。今号では第一回目の大規模修繕工事を満足にかつスムーズに終えられたマンションの事例をご紹介します。

大規模修繕、成功のポイントとは

竣工後12年が経過し、第一回目の大規模修繕の時期を迎えたディアステージ江坂G-TOWERは、駅からほど近い利便性の高い場所に建つ20階建てのタワー型マンションです。実際の工事は2015年2月初旬から8月の中旬までで終了し8月22日に無事引渡しが完了しました。管理組合では工事開始からさかのぼること2年前の2013年4月に修繕委員会を立ち上げました。長期にわたり多くの検討項目や工事実施・確認をこなす必要がある大規模修繕。

「当マンションも2年交代制の理事会とは別に修繕委員会を立ち上げました。当初は私が理事長になる予定でしたが、修繕委員長の役割もあったため尾﨑さんに管理組合の理事長に就任していただきました。大規模修繕についてはわからないことだらけでしたが、長谷工リフォームさんが修繕委員会の立ち上げ時から適切なアドバイスをくださったので助かりました」と修繕委員長を務められた杉田さんは当時をふりかえります。

準備期間は十分に

まず、大規模修繕が全区分所有者にとって共通の問題(資産価値の維持・向上)であることを、居住者全員に認識してもらう必要があります。そのために修繕委員会は工事説明会の開催や掲示板での種々の告知、資料の配布などを行うと共に、事前の全戸アンケートを実施します。

本マンションの場合、アンケートは“バルコニー”と“その他共用部分”の2回に分けてそれぞれの劣化状況を収集。「修繕委員会設置直後に行った“バルコニー”に関するアンケートは回収率80%でした。その結果を反映して計画の見直しを行い、当初計画に入っていなかった“バルコニー床の張替え”(❶)も予算内で実施する追加の工事として盛り込むことになりました。また“その他共用部分”で要望の多かった駐輪場改修工事(❷)は大規模修繕に先立って2014年8月に実施しました。同時に工事を行うと足場確保に支障が出ることがわかり、それを回避して“使いやすい駐輪場を”という居住者の要望に応えることができました」と杉田さん。準備期間を十分取ることによって、居住者の要望の調整や工事の効率化を実現することができたのです。

居住者の協力を得ることが大切

工事期間中は工事関係者が居住者の安全確保に留意するとともに、日々の生活において居住者のストレスがたまらないよう細やかな情報開示が必要です。「情報開示は掲示板を利用して行い、その他居住者が協力するべきことについては長谷工さんがこまめに資料を全戸配布してくれました」と理事長の尾﨑さん。

「ネットで覆われて暗くなったり、バルコニーが使えない期間が2~3週間ありましたが、窓を開ける必要性があまりない季節だったので特に不満は出ませんでした。逆に居住者の協力が必要だったバルコニーの片づけなどは皆さんが期限を守ってきちんと実行してくれたので工事の遅延を招かずに済みました。また何か問題があっても長谷工リフォームさんがスピーディに解決してくださったので理事会や修繕委員会に問題があがってくることはありませんでした」。

高い完成度と満足度を達成したのは

大規模修繕は事前に劣化診断を行い、修繕委員のメンバーと施工会社がマンション全体をチェックするため、それまで気付かずにいた部分劣化を発見することができます。

「当マンションは20階建てということもあり、フロアによって劣化状況が違っていました。事前の建物診断でわかったタイルのめくれや鉄部塗料の剥げ、非常階段の溝の汚れなどを修繕したことにより、マンション全体が想像以上にきれいになりました。また、アンケートで収集した不具合箇所やバルコニーの修繕などの要望を反映させたので、不公平感もなく居住者の皆さんにも満足していただけたのではと思っています」と杉田さん。

また、「予算内で最適な結果を得るために、先延ばしにできる屋上防水は見送り、今必要な工事を行ったこともよかったと思います。またこの時期は消費税が上がるタイミングでしたが、3%増となる金額にこだわらず価格優先ではない安全で堅実な工事とするために準備期間に十分時間をかけました。結果、完成度と満足度の高い大規模修繕になったと思います。そしてこの経験は次の大規模修繕にも役立つことは間違いありません。」と話してくださいました。

 

長谷工リフォーム 担当者より

「おかげさまで、皆さまの協力をいただきスムーズに工事を終えることができました。工事完了後、管理組合様から感謝状をいただき、関係者一同、とてもうれしく思っております。」

 

ページトップへ戻る