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「あたらしいマンションのかたち-地域との共生」
「全員参加型で実現するしなやかな理事会活動」

あたらしいマンションのかたち-地域との共生

丹沢の稜線を眺望できる高台に立つ「ルネ・エアズヒル」。
海老名市のランドマーク的存在といえる大規模マンションです。

敷地内に、天然温泉、運動施設、パーティールーム、ゲストルームを有する充実した共用施設をはじめ、ビオトープ(※1)や広大な中庭を擁し、マンションでありながら、まるでひとつの街のような印象を受けるルネ・エアズヒル。

※1「ビオトープ」:
動物や植物が恒常的に生活できるように造成または復元された小規模な生息空間。公園の造成や河川の整備などに取り入れられる。

そんな恵まれた環境ですが、前期は自治会長、今期は理事長を務めていらっしゃる山本さんは、「重要なのは当マンションの施設をどう活かすのかということ。これからは充実した施設が地域との連携を強める役割を果たすことも必要」と冷静に分析しています。ルネ・エアズヒルはマンション全体でひとつの自治会を構成していますが、海老名市や市内の他の自治会との連携を強めています。非常にユニークな事例なので具体的にご紹介しましょう。

地域との“共助”の考え方が
常識を変える

昨年は地域連携の動きを象徴する行事が行われました。宅地開発が進む海老名市では、地域の伝統行事である「どんど焼き」(※2)を行う空き地が激減。隣接した提供公園での実施が決まったとき、屋台会場としてマンションの敷地を提供するという思い切った提案をしたのです。

※2「どんど焼き」:
小正月(1月15日)に、正月の松飾りや注連縄(しめなわ)、書き初めなどを持ち寄り、一箇所に積み上げて燃やす行事。

「マンションの設備を居住者以外が使用することは、一般的ではありませんが、「どんど焼き」はもともとあった地域の行事。私たちが地域の皆様に仲間に入れていただいたことへの感謝の気持ちでもありました。これをきっかけに地域とのつながりが強くなったと思います」と山本さん。

地域との連携強化は、行事にとどまらず防災面にも広がっています。昨年10月には、海老名市とルネ・エアズヒルを含む8つのマンション自治会が協議し、大規模災害の際にマンションの共用施設を避難所として提供する取り決めがなされました。これを受けて、市ではマンション敷地内に防災倉庫の設置や備蓄食料の配備を決定。地域のためにマンションの設備を最大限に活かすことで、居住者の防災設備も確保できる。まさにマンションと地域との共助の関係ができつつあります。

地域に認められたコミュニティに

こうした地域への貢献が評価され、海老名市は共用施設の備品購入など一部の費用の半額を補助金として拠出することを決めました。この決定はマンションの設備が「地域コミュニティを促進する場」と認められたことを意味する画期的な出来事です。

しっかりと結ばれた信頼の絆

「とはいえ、管理組合の本来の役割は共有の財産であるマンションの価値を維持管理し、居住者の安全で快適な生活を守ることです。もちろんマンション内部の問題・課題についても積極的に取り組んでいます」と山本さん。そんな山本さんの姿に、管理員の高橋も「誰かが問題を起こしたときに、注意をするだけではなく、きちんと話し合って今後につなげていく。簡単に誰にでもできることではありません」と話します。山本さんも「高橋さんたちが日々の管理をしっかりしてくれているので私たちは安心していられる。困ったことがあったらすぐに相談し、とことん話し合いをしています」とお互いに信頼の絆で結ばれています。

10年、20年後を見据えて、
多世代の力を結集

「最近、マンション内コミュニティ活性化のため、少子高齢化などの未来を見据えた長期的な活動を話し合っていく委員会ができたところです」と支店長の塚田から新しい取り組みについての紹介がありました。「メンバーの年齢構成は様々です。年配の方々の知識と経験、子育て世代の発想と行動力、足りないものを補い合って発展していきたいと思っています」と山本さん。

子どもたちのふるさとに

ルネ・エアズヒルでは、日本の古き良き伝統行事が大切にされていて、ひな祭りや鯉のぼりの飾りつけ、餅つきなどの行事を自治会と協力して行っています。「竣工から12年経ち、ここで生まれた子どもたちもたくさんいます。その子どもたちが大きくなったときにも、同じようにここで餅つきをしていてほしい。このマンションがふるさとのような存在になっているといいなと思っています」と山本さんはお話しくださいました。

地域コミュニティとマンション内コミュニティを融和させ、お互いにメリットを見出す仕組みをつくることで、資産価値の向上、地域全体の活性化が実現しています。

 

全員参加型で実現するしなやかな理事会活動

玉川上水と木立に囲まれた緑道に沿って建つ「エルシオ玉川上水」。夏はベランダから玉川上水に放たれた蛍を鑑賞し、元旦には屋上庭園から初日の出を拝むなど、季節の楽しみをお住まいの皆さんで共有されています。

全員参加の理事会運営

「理事会の役員は、持ち回りで仕方なく引き受けるというイメージがありますが、折角回ってきた機会ですから前向きな気持ちで楽しみたいと思っています」と理事長の山口さん。理事会では、役職に関係なく、10人の理事で仕事を分担し、様々な問題を皆さんで考えています。長期的に取り組む必要のある課題と、イベントのように比較的短期間で終了するものを織り交ぜて、常時20程度ある検討事項を2、3人のチームで、複数担当する方式です。こうすれば、一部の人に大きな負担がかかることもなく、多くの人の意見を取り入れることができます。

また、理事会役員の任期を2年に変更したことも管理組合活動の活性化に一役かっています。現在副理事長を務められている新川さんは「理事の仕事を初めて経験し、ちょっと慣れたころで任期切れになってしまうのはもったいないと思い、2年前から1年ごとの半数改選にしました。こうすることにより、経験者が初心者をバックアップして切れ目のない活動ができます。私も去年は理事長を務めましたが今年は副理事長です」とお話しくださいました。

多様な意見から見出す
最良の解決策

こうした柔軟な理事会の運営方針は、マンション内のコミュニケーションの促進にもつながっています。

エルシオ玉川上水では、居住者が直面している困りごとや意見を「要望書」というかたちでフロントオフィス(管理事務室)に提出することになっています。それは、面と向かって言いにくいことや直接話すタイミングがとりにくい方の意見も、理事会が吸い上げる仕組みとして役立っています。その内容は理事会で検討され、要望書を提出したご本人に対応策を含む回答が返されます。「理事会にかけると理事たちから様々な意見が聞けるので、いい解決法が見つかることもあります。でも白熱しすぎて3時間以上話し込むこともありますよ」と、副理事長の阿部さんは苦笑いします。「要望書を出される方は、改善してほしい気持ちが前提にあるはずです。ですから、ダメとか無理とか言うばかりでなく、なるべくよい方向で解決する手助けをしたいと思っています」と山口さん。居住者に寄り添った姿勢を大切にしていることがうかがえます。

要望書の内容には、クレームや問題提起だけではなく、イベントの提案もあり、会議室を使ってのアニメ映画上映会や、子ども服のリサイクル会、フォトコンテスト、屋上庭園での初日の出や花火を見るイベントなど、居住者からの希望で実現したものもあります。

管理組合の下部組織である「ペットクラブ」や「防災委員会」などとの連携も活発です。昨年は防災委員会有志の提案でハロウィンイベントを行いました。お菓子と一緒に「防災一言メモ」を渡すなど工夫し、普段なかなか接点のない子どもたちと年配の方々との交流の促進にも効果がありました。

山口さんは「何でも理事会が決めるのではなく、居住者からのアイデアも柔軟にバックアップしていきたいと思っています。屋上庭園で夏まつりができるといいですね」と意欲的です。

地域との連携も積極的に

理事会の活動はマンション内だけにとどまりません。

玉川上水の緑道を清掃する活動では、「自然を守る会」のメンバーにも声を掛けるなど、地元の方々との交流を深めています。

「『玉川上水があって緑がある』この環境に惹かれて住んでいらっしゃる方も多く、自然を大切にしたい気持ちが強いから」と皆さん積極的で、最近では60名もの参加者が集まるそうです。また、去年の秋に防災委員会が主催した「防災講座」には初めて市の職員をお招きしました。理事会の皆さんの活躍の場はどんどん広がっているようです。

 

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