管理組合Cafeにようこそ
「一棟まるごと“家族”のような心地よさ」

福岡市東区に位置する福岡県警本部の隣に立つ「サンリヤン県庁前Ⅱ」。
メンバーの皆さんが“楽しくてたまらない”と口を揃えるサークル「みどりの会」をご紹介します。

約3帖の“坪庭”がもたらすしあわせの連鎖

「もうちょっと、右、右!」
「あらら、お人形が隠れて見えんよ」
 エントランスの約3帖の坪庭を囲んで、にぎやかな声が飛び交うのは、サークル「みどりの会」のメンバーです。取材日は4月の中旬、“端午の節句”をテーマに坪庭の飾り付けを行いました。風に揺れる鯉のぼりや五月人形、兜などをメインに据えて、手芸作品や菖蒲の折り紙を添えると、まるでショーウインドウのような展示スペースに早変わり!

 「近くにある幼稚園の園児たちが入口のガラスに張り付いて見ているのが、とってもかわいいんですよ」と笑顔で話すのは、理事長兼「みどりの会」代表の内野さん。発足のきっかけは2011年、マンションの大規模修繕工事でベランダの私物を撤去する際、不燃物ごみに鉢やガーデニング用品が大量に出されているのを見て、内野さんが「花や緑が好きな居住者が多数いる」と推測したことでした。そこで理事会に「殺風景な坪庭に植栽・花を置くボランティアサークルを発足したい」と提案すると、居住者の皆さんも大賛成!すぐに10名近くが集まりました。

七夕の短冊効果!?
赤ちゃん誕生に大喜び

 メンバーの得意分野は、内野さんの生け花をはじめ、手芸や折り紙、おしゃべり(!)など様々ですが、テーマが決まると構想やアイデアが広がって、必要なものがすぐに調達できるとのこと。みんなで協力し合い、「各自できることを無理なく続ける」を実現しています。これこそが参加者全員が楽しむ秘訣なのかもしれません。特に雛祭りや端午の節句は、「しまいこんでいるよりも、皆さんに眺めていただきたい」と提供者が多く、飾り付けをしながら子どもや孫の話に花が咲くのも楽しみの一つです。
 副理事長の田実さんは発足当初、みんなで七夕飾りができたら…と、ご実家の長崎県からバスで笹を運びました。翌年からは常任理事の松本さんが友人の山でやぶ蚊にさされながらも竹を調達し、大いに助かっているとのこと。七夕飾りは定例化し、短冊は毎年神社に奉納しています。「子どもを授かりますように」と書いた若い夫婦の願いが叶ったときは、みんなで家族のように大喜びしたとのこと。
 「みどりの会」の発足によって、マンション内に次々と変化が表れました。すれ違っても会釈程度だった居住者同士が坪庭の話題をきっかけに会話が弾み、メンバー以外の方も名前や家族構成まで自然と覚えていったのです。また、エントランスでの見知らぬ人への声かけが習慣になり、不審者にはすぐに気付くので、図らずも防犯活動にもつながっています。

まさに理想の地域コミュニティを実現

 内野さんは、理事長就任と「みどりの会」代表を同時に引き受けたため、当時、積極的にサポートしてくれたライフマネージャーの形山やフロント担当者の林田、染矢への感謝の気持ちも忘れません。同時期に副理事長に就任した田実さんも「林田さんが一昨年京都へ異動すると聞いたときは急遽、マンション内で送別会を開催、たくさんの方が集まって、涙で見送ったんですよ」と話し、そのときの写真を懐かしそうに見せてくださいました。
 最後に特筆すべきは、以前地震が発生した際、メンバーの木下さんがすぐにお一人暮らしのご高齢者の部屋に行き、声をかけて安全を確認したこと。
 まさに理想の地域コミュニティを実現しているマンションの好事例ですが、何か秘訣があるのでしょうか。
 「特に心がけていることはないのですが、強いて言えば、自然体でいることと、問題が起きたら一人で抱え込まずに、すぐに皆さんに相談することでしょうか」と内野さん。サークル発足4年目を迎えて、居住者の皆さんとの信頼関係はますます深まり、団結力もさらにパワーアップしています。

 

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