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「マンションと町会が手を取り合い絆を深める“合同防災訓練”」

東京都江戸川区のグリーンパーク新小岩は、エントランス前に児童公園がある、緑豊かな大規模マンション。今回は地元の「松江二丁目町会」と連携して行われた合同防災訓練にお邪魔しました。地域とのコミュニケーション強化を願う管理組合の熱意によって実現した取り組みをご紹介します。

マンションと町会の合同防災訓練

 当日はあいにくの雨模様でしたが、マンションから約50名、松江二丁目町会から約40名の方々が集まりました。まず、マンション居住者の避難訓練を実施。その後、地域の皆さんも参加して、いざという時にスムーズに通報するための119番通報訓練や消火器による初期消火訓練、「スタンドパイプ」を使った放水訓練、消防署の方からの講話などが行われました。消防署の指導と、区民消火隊の皆さんの協力のもと、マンションと近隣の垣根を越えて共に訓練に取り組んだ、盛りだくさんの1日となりました。

「孤立しないマンション」へ

 訓練を発案・実現した管理組合の皆さんと、その思いに応え、各種調整にご尽力くださった松江二丁目町会長髙柳さんにお話を伺いました。
 「一番の目的は地域とのコミュニケーション強化。災害時も、情報・物資の両面で孤立しないマンションにしたいですね」と管理組合理事長の甲斐さん。
 マンションの防火管理者でもある副理事長の吉田さんは「高齢者も多いので、とにかく訓練の『安全』に気を配りました。避難誘導や放送など、各タスクのリーダーを事前にしっかり決めて、合同開催にあたっては、幾度となく町会と話し合いを重ねました。消防署など各個所との折衝など、経験豊富な町会長の知見から多くを学ばせていただきました」と、準備の日々を振り返られました。
 「我々も町会の会員ですが、マンションに住んでいると地域との関わりが薄くなってしまうことも多く、近隣の皆様と顔を合わせる機会が必要だと感じていました。訓練のお誘いは、我々から町会への『求愛行動』と言えるかもしれません(笑)」と語ってくれたのは副理事長の山本さん。髙柳さんも「マンションの皆さんが町会に親しんでくれるのが嬉しい。どんどん連携を深めていきたいですね」と笑顔で返答。ともに街を守っていく仲間としての、強い絆が感じられました。
 マンション居住者も街を構成する重要な一員。いざという時にしっかりと連携が取れるよう、日頃から良い関係を作っておくことが大切です。ともに目的意識を持って取り組む防災訓練が、そのきっかけになるのではないでしょうか。

「スタンドパイプ」での放水訓練

 皆さんが力を合わせて取り組んだのが「スタンドパイプ」という消火器具を使った訓練。道路上にある消火栓や排水栓から放水するための道具で、軽量で操作も簡単、一般の人も使うことができます。また消火器より遠く、高くに水を届けられ、消防車が進入できない場所の初期消火や、同時多発災害など消防隊がすぐに到着できない事態での活用も想定されています。

 

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