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「マンション全体で災害と向き合う、管理組合の取り組み」

近年、日本各地で毎年のように地震災害が発生しています。たくさんの人がひとつの建物で暮らすマンションでは十分な備えをしておく必要があるとともに、いざというときに共助の精神が発揮できるように日頃のコミュニケーション醸成が大切です。今号では3つのマンションで行っている防災についての取り組みをご紹介します。

【防災への取り組み】防災訓練実施

規模や築年数が異なる2つのマンションで実施した防災訓練についてご紹介します。

ファミリープラザ宝塚(実施日:2016年6月26日)

【内容】
宝塚西消防署の消防隊員および救急隊員の指導のもと、集会所で開催。2つの訓練を行いました。

★奥川理事長のコメント

居住者全員の積極的な関わりが必要
今回は高齢者の参加が多く(参加者の90%)、昼間、災害が発生したときに、活躍していただかなくてはならない方々でもあり、その点は良かったと思いました。また、訓練中に、救急隊員が本当の救急連絡を受けて出動するという事態が発生しましたが、防災担当の居住者が救急隊員の代わりを務め、訓練を続けることができ、とても心強く感じました。今後、居住者全員が防災への取り組みに積極的にかかわり、管理組合として自主防災組織を作っていくことの重要性を理解してもらいたいと考えています。

★川島自治会長のコメント

「顔の見える」活動が必須
災害時には、高齢者、障害者、子どもなど弱い立場の人を優先する必要があります。そのためには、日頃の「横のつながり」が必要であり、居住者同士の「顔の見える」活動が欠かせません。今後は、皆さんに自治会の催しや、管理組合の活動に積極的に関わって欲しいと思っています。

プラネスーペリア鷺ノ宮レガート(実施日:2016年7月31日)

【内容】
東京消防庁4名の立ち会いのもと講習会と消火訓練を行いました。エントランスホールでは防災備品のサンプルを展示しました。

★庄司理事長のコメント

フットワークの軽さが強み
小規模マンションなので、意思の疎通がはかりやすく、安否確認が迅速に行えるというフットワークの軽さが災害発生時には強みになると思います。また、理事を輪番制としているため、10年あれば全世帯が理事を経験することになり、みんなで管理組合の運営や防災に対する理解を深められることもメリットのひとつでしょう。これからも定期的に訓練を継続し、居住者に伝え続けることで一人ひとりの防災意識を高めていきたいと思っています。

参加者を飽きさせない工夫
訓練の内容はごく一般的ですが、毎年参加者が飽きないように工夫しています。今回は屋内消火栓の項目を追加し、設置場所と使用方法を居住者に周知しました。

【防災への取り組み】防災マニュアル作成

全国で地震による被害も出ていることから早急なマニュアル作成の必要性が高まり、行動に移した事例をご紹介します。

アズ・マニッシュ、コート(作成期間:約2カ月)

★松浦防災委員長のコメント

マンションにカスタマイズしたより良いマニュアルに
当マンション独自のマニュアルにするため、インフラが遮断されたときの設備の状況を明確に記載しました。さらに安否情報に必要な戸別情報は、個人情報の関係で提出いただけない場合や毎年更新の煩わしさを鑑み、「居住者の人数(成人、未成年、救護の必要な方)」のみ記載する簡易版にしました。
また、平日の昼間に地震が発生した場合を考え、災害対策本部の機能は、在宅のシニア世代が代行することを考慮に入れました。防災訓練はもちろん、防災マニュアルも毎年進化させていく必要があると考えています。

【マンションの防災力UP】ここがポイント

防災訓練の参加率アップには

「防災訓練の参加者が年々減っている」というお悩みに対して、より多くの方に参加していただけるよう、餅つき大会やマンション内マルシェ、古本市など関心の高いイベントを同時開催することをおすすめします。まずは、参加者を増やすことで防災意識を高めていきましょう。

防災備品の定期的な見直し

防災備品は備えて安心ではなく、備蓄倉庫の定期点検や、備品の組み立て体験など、いざというときに実際に使えるように準備しておくことが必要です。例えば、災害用トイレの組み立て方、投光器や発電機の使い方など。また、メガホンやLEDライトなど電池内蔵の器具については電池交換を、飲料水・食品については賞味期限のチェックを定期的に行いましょう。

 

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