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「自分たちの手で、魅力を磨く『美しいマンション』の作り方」

千葉県松戸市、長い桜並木に沿ってたたずむ総戸数53戸の「フラージュ常盤平さくら通り」。
ヨーロッパ風のパティオを抱く瀟洒な雰囲気ですが、その美しさを維持する秘訣を伺いました。

マンションの資産価値は
自分たちで維持する

 築17年とは思えない清潔な空気感は新築とみまごうばかり。当マンションにお住まいの皆さまは共用部分も自分たちの家、そして資産であるという意識を高くお持ちです。
 理事会設立3年目からスタートした防災訓練と清掃を組み合わせた活動は、毎年理事会で申し送りされ、定番のイベントとなっています。年に1回、共用部分に目を向けることで、自分たちでマンションの美観を維持しているという意識も高まります。また、清掃用具は持ち寄り、それぞれの体力や家族構成に合わせた自由なスタイルで参加できます。
 戸数の少ないマンションでも取り入れやすい活動として、今号ではこちらのマンションの盛り沢山の1日をレポートします。

まずは防災訓練
「イベント感」も大切に

 イベントの始まりは防災訓練です。近隣の消防署の協力のもと、避難の注意点や消火器の使用法を学ぶ皆さん。2017年に設置されたAEDの講習も行われ、アットホームな雰囲気の中、真剣な眼差しで参加されていました。

年に1回清掃活動
みんなで磨き上げる!

 防災訓練の次は清掃活動。参加された約20名の方々が、自らの手で一斉に共用部分を清掃するという珍しい取り組みです。参加者それぞれが慣れた掃除道具や洗剤を持ち寄り、自宅周りの腰壁や窓枠、手すりなどを磨きます。
 取り組み方は自由なので、ご高齢の方々も無理なく参加していらっしゃいました。

清掃活動の魅力とは?

 お掃除中の皆さんに、この活動がもたらすメリットをうかがいました。
 「定期清掃に含まれない箇所は意外に多いので、とてもいい機会です。ここは同じ築年数のマンションと比べて端々の汚れが少ない。みんなの手で綺麗に保てているのだと思います」。汚れへの『気づき』がある、共用部分への『愛着』が育つという意見も聞かれました。
 また「イベントは和気藹々です! マンションは隣近所との関係が薄くなりがちですが、このイベントで顔見知りも増えました」と、楽しげな声も多く聞かれました。さらには「『年に1回』というのもいいところ。あまり頻繁ではちょっとツラいですしね(笑)」というご意見も。日常の義務にするのではなく、イベント感を演出するのも大切なポイントです。

管理組合運営の秘訣
「打てば響く」理事会でありたい

 最後に行われたのは、新しく整備された自転車置き場の抽選と懇親会。
 エントランスホールに軽食が用意され、演し物も披露されます。フラダンスにギターの弾き語り、ご長寿の方による貴重なお話……和やかに会は進みます。
 「ここは住みやすいからか居住者の入れ替わりが少なく、人気も高い。それをしっかり維持するため、プライドを持って運営しています」。団欒を嬉しそうに見つめながら理事長の齋藤さんは言います。「大切にしているのは『打てば響く』理事会であることです。集まってきた要望に『それはできない』と言うのは簡単です。でも、すべて一旦受け止め回答する。そのやり方が広まれば、様々な部分が良くなります」。
 ユニークな取り組みや、皆さんの自然な連帯に、素敵なマンションでありつづけるための秘訣を垣間見た1日となりました。

 

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