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 本当に役に立つ防災活動」

八王子スカイハイツは世帯数こそ少なめですが、防災活動は本格的。
防火・防災担当経験者の専門知識を生かした実践的な防災活動について、
理事長の中川さん、防災会副会長の赤﨑さん、防災本部長補佐の伊藤さんにお話を伺いました。

本番さながらの防災訓練

 ジリリリリ…。火災発生を伝える非常ベルが鳴り響き、インターホンから地震による火災発生、避難準備の放送が入ると、避難誘導員先導の下、首から色分けされた名札を掲げた居住者の皆さんが続々と集まってこられました。避難誘導員は直ちに安否確認を行い、担当役員らは手際良く対策本部を設置、とかなりスムーズ。
 ここ八王子スカイハイツの防災訓練は、実践的かつシステマチックなものでした。

再始動した防災活動

 「理事会活動の一環として防火・防災管理者になってから、関心を持ち始めました」と、伊藤さんは振り返られます。
 理事会の防災意識が高まってきたのは2015年頃から。当時、資料は最低限のものしかなかったため、防災計画の見直しには以下の作業が必要でした。

・消防計画書の作成
・緊急連絡先名簿の更新
・要支援避難者の把握
・非常用備品類の整備

 消防計画書は、講習で配布された東京防災救急協会のテキスト「消防計画の作成」を参考に再整備。要支援避難者の有無は、緊急連絡先名簿を更新する際に、独居、高齢者のみの世帯、要介護、要支援者を含む世帯を確認し、安否確認の手段、避難支援の方法等と共にマニュアルにも反映させました。同時に、避難者の把握に役立つよう、避難経路ごとに色分けした名札も作成しました。
 「管理組合の運営には、ライフマネージャー(管理員)の協力が不可欠。日頃、居住者と密接に関わってくれているので防災活動にも必ず参加してもらっています。キーマンといっていいですね」と赤﨑さん。ライフマネージャーとの強い信頼関係が感じられます。
 そして、2015年11月には、実に30年ぶりに避難・消火訓練を実施。翌2016年度は、長谷工コミュニティの雛形を参考に、震災時対応マニュアルを作成しました。全32ページの力作で、災害発生時の行動などが詳細に掲載されています。役割ごとにすべきことが時系列に細かく決められていて、「いつ誰がどこで何を」すべきかが一目瞭然です。「災害はいつ起こるかわかりません。防災担当者が必ずいるとは限らないので、誰が見てもわかるように作成しました」と伊藤さん。中川さんも「数年前に引っ越してきたときに、しっかりしたマニュアルがあって驚きました。臨機応変な対応も、基本ができているからこそなのですね」と感心されていました。

防災会からコミュニティ形成

 八王子スカイハイツでは、参加者に飽きられないように、毎年違った状況を設定して防災訓練を行っています。
 今回は、大地震後に火災が発生、避難経路が限定されたという想定で訓練を行ったほか、八王子消防署の協力を得て、煙体験ハウスや担架での搬送訓練なども実施。参加者からは「普段は使わない階段を使うなど、日常とは違う状況が体験できてよかった」との感想も。
 伊藤さんは「以前は挨拶を交わす程度でしたが、防災訓練を通じて、顔と名前が一致するようになり、関係が非常に良くなりました。訓練だけでなく、除雪作業等に率先して参加する方も増えてきました」と防災活動とコミュニティ形成の密接な関係を語られました。

広がる活動の場

 「2年ごとに1名、防火・防災管理講習の新規受講、資格取得をお願いしています。防災活動は全ての居住者が主体的に参加することが重要なため、防災役員経験者には、そのまま役割や関わりを継続してもらっています。増員も考えています」と展望を語る赤﨑さん。
 今後は震災時のみならず、水害対策、イベントの検討、地域の自治会との連携などを検討されているとのことで、防災への意識は高まる一方のようです。

 

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